塔について III

レス数:450 サイズ:1183.21 KiB 最終更新日:2021-03-27 09:45:10

251  名前:◆NBJATnhEhM[] 投稿日:2021/02/27(Sat) 11:17:55 ID:33e620ff



  台所には包丁があり、釜があった。 茶を淹れたばかりの陶器があり、切りかけの塩漬け肉があった。
  
  どれも彼の本当の母親ではなさそうだった。
  
  次に彼は居間を調べてみた。 テーブルに椅子。 箪笥に窓。 本棚に収められた古めかしい書物。
  
  やはりどれも関係なさそうだ。
  
  そして彼は両親の寝室を覗いてみた。
  
  いつもは立ち入らないそのスペースには、大きなベッドがあり、読みかけの本があり、花を挿した花瓶があった。
  
  彼は注意深くそれらを一つずつ点検していき、最後に隅の棚を調べた。



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252  名前:◆NBJATnhEhM[] 投稿日:2021/02/27(Sat) 11:17:55 ID:33e620ff



  そこには奇妙な色合いの丸い石と、小さな細い指が一つ存在していた。
  
  青年は指を取り上げ、仔細にあらためた。 その指には何か青年を惹きつけ、魅了するものがあったからだ。
  
  青年は指に向かって試しに挨拶をしてみた。 こんにちは。 すると指は声を返してきた。
  
  こんにちは。 青年はびっくりして思わず指を取り落としそうになった。
  
  あなたは生きているのか? だとしたらどうしてこんな小さな身になってしまったのだろうか?
  
  指は声をひそめて経緯を語った。 自分が前の妻であること。 黒い蜘蛛に家を乗っ取られてしまったこと。
  
  それを退治するために白い蛇に頼み込みに行ったこと。 その道中で体を食べられてしまったこと。





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253  名前:◆NBJATnhEhM[] 投稿日:2021/02/27(Sat) 11:17:55 ID:33e620ff



  青年の眼に涙がきらりと光った。
  
  それではあなたこそ僕の本当の母親だ。
  
  何という事だろう、求めていたものがこんな近くにあっただなんて。
  
  青年の涙が丸い石に落ちた。
  
  すると石は割れて中から一つの植物の種が出てきた。
  
  彼はそれを拾い上げると、右手に種を、左手に指を乗せて庭に出て、土中に種を埋めてみた。



                      ,
                      o

                      O


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254  名前:◆NBJATnhEhM[] 投稿日:2021/02/27(Sat) 11:17:55 ID:33e620ff



  するとたちまち芽が出てきて茎が伸び、蕾が出来て花が咲いた。
  
  花はこれまで見たこともないほど美しく、青年は見惚れて立ち尽くした。
  
  それは今までの旅の苦労も、ようやく見つけた母親が指の姿でしかない悲劇も、
  
  いやこの世の悲哀すべてを忘れさせてくれるほどの美しさだった。
  
  彼はその美の中で安らぎを得て、もういいと思った。
  
  自分はもう何かを求めることをするまい。 ただ一生草木や花を育て、それらを愛でて生きていこう。
  
  そう決心するほどの美しさだった。




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                       _.r 、_.、 __}ト i/- ⌒ ≧- 、  _. - 、
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        ,、 r / `!  ヘ_ i  \ ヽ ヽ マ冖'' {   !`{   i!  i{   /√ !γ厄}!
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      _ -=    ゚‰,_入マ ´/ :  }! { ,,_ 斗-=- ミ.ゝ イ( `i 寸 ‐-‐ ア  %  }!
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255  名前:◆NBJATnhEhM[] 投稿日:2021/02/27(Sat) 11:17:55 ID:33e620ff



  彼は左手に目を落とした。 するとそこにはあるはずの指がなかった。
  
  彼ははっとして辺りを見渡すと、すぐ傍に一人の女性が立っていた。
  
  喰われた時の体が再生した、指だけの女だった。
  
  女は若く、美しかった。
  
  青年はその場で結婚を申し込み、女はそれを受けた。
  
  かくして青年は本当の母親と晴れて結婚し、子供を作り、幸福に暮らしたという。




               ヾ三シ゚ /  ,r /    /       . ヽ ヽ   ヽ. l1 ^'{三三シ'゚
                 ∨    ./ ,r/    /          '、 ヽ   ヽ .i  ヾ三リ
              ,/ .    / /r'    ,/      l  i,   '、   ヽ  1 '!シ
            ,r/ ./    //     / ;    i .| i 1   '.    .'、 l l1ヽ、
            /./ ./     /./    ; /j .i     j  l j .|_、   1    1.j j 1  \
.            , '゙ / .'     / 7   j リl r!     ;'  .j l !'lj   '!.     Y .l !   \
        .,ィ'   / .'     / .j!r!  j'!j 1 i l    /  イ i} j 1  '!1    1 j ト、_,. 。-=>、
       ,:ヘヾ:, ./イ.,'     ,' ハTi,゚´ j l}^Tj' l.   /  /T'7゙lノ ̄}`^T.l      ! リ' j 'F‐,'".r=f三ュ
       ,r三ミ、ミY/l.j゚     i  l 'iL,>;=kiL,j1 i ./,ィ / j./,rf=≡Fェ/l,|     V ,! 1三三三三;〉
     .〈三三ミj.i^リ     j i.レミr'゚r'^,rdミヾ. ∨'/'゚  ' .,r'.r;o:ト/ヾミ=     1 /j,.r=i三三彡"'゚
      'f三三j.!ミ!     j1 { ヽ .{ i:c:l :l         {:,.i:d).'゚} /'j l   ! l /',.rfミェイ´
.        ヾ:三{.lミl  1   j. '、ト、  Y'フ^゚;/        、.r'__i,フ .j.r!    | !/三三ミヲ
          |jヾ!.l{. i.   | ヽ1     ̄                 ,f' |   j }ミ三彡'´
.           '! .| l1 .!   ! 1 ゚ト、 ´´´´      '       ´´´´ ,シ .j   j.! j-!'"
            i { ! i, 1  ! .l:、i、                  /'  i ,'   ;'j ノ .1
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            ヽY j メ、 N  !i.ヽ1丶、          ,.r' ! /' j ./j/' i 1 |.い
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            j j  '! !j ,' ヾ:、i 7| {:::`ヾ-.、_    _,。-::'"::::::::::!レ'^! i   1 l1 '.i  ヽ、
          j j'  .l リ' ノ  ! ! 'リ j_}::::::::::::::::::1 /::::::::::::::::::::::::jr:、  } i '! | '、 '!   k、
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           1 !   i,_j/   ; j:.=<.......ヽ、.>r-='-、,_,。‐'":'^..............ヽミi,1 ':ト.、ゝ_ヽ   1 '、
         _,..>.iー:'":::リ   /.,'......、,_.....,.'" ,.r:{  ./-、`ヽ、.......;_._.............'i}  1-=::;_`::^':i-:1
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256  名前:◆NBJATnhEhM[] 投稿日:2021/02/27(Sat) 11:17:55 ID:33e620ff



  荒唐無稽な話だが、この物語は私の心に残った。
  
  石について考える時、いつでもこの話は私の脳裏をよぎる。




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           ,  ´          ` 、
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      /                 ミヾ     }
       {       ,. -‐-、_ ____          /   /
    r-‐/  ,.>'゙´    ヾ:::::/⌒ヾ¨ヾ::::::::y'⌒ヾー-‐r、
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    ,..<::::::::::::::::::/ ,r‐y:::/          } / `7≦...,,___   ___////\:///≧x
   ム:⌒ヾ_::::::::::/    ./::/         //\-、///////777///////∧/////
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.     `ヽ:::::/./::/ ̄ ̄}:/  ハ三二:::[::]:::=-,.イ  .\////≧x__`゙'く/////// __.) //
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257  名前:◆NBJATnhEhM[] 投稿日:2021/02/27(Sat) 11:17:55 ID:33e620ff



  石について考えることはおそらく私が生きていく上で必要なことだった。
  
  硬質な物体。 自然と近しい大地の友人。
  
  煮ても焼いても食えない、ただの石。



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                   /゚ ̄ ̄   ∨                  ハ::....  ゚
                 ′       ゚            ......:/  廴___{
                 /        }廴_  _      〈廴      ゚,
             /            |i         ̄  7 \     ∧
               /          |:.....         /   ′   丶   ′'.
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258  名前:◆NBJATnhEhM[] 投稿日:2021/02/27(Sat) 11:17:55 ID:33e620ff




  石は私にとって解決の難しい問題として、常に目の前に提示されている。





   〈   ___|⌒\      }  \       \  /
 __ -‐ァ'⌒¨|\  \    }    )    _____∨{
{  /    \{    \  .ノ  .. -=ニ   |: /:i \
{ /      / i   `ー‐=彡}:  /  i  :|/   \\
 〉 .  <⌒ー'′.ノ  /     / /ト  |   :L.. ___  ∨、
.〈く: : : /    /  /  /}r勿トミ | .ノ / /ヽ.  ニ=‐ァ
 \/´        /   / / V(  〉 ./ /j i  \_/
.   ′    У/{: j/Y  i      {/ (ン/.ノ    }
  {_〉   〈 {   /   | 八__ノ}     ノ \   _,/
 /  /   /  ′   ハ  <        / ,`⌒ (
. {´{ 〈  {   { 、 ′ } i⌒´  ´’ イ /   {〉ハ
  \ `ー八   \ 〉 .∧! __  <./|/∧   {_.ノ
    `⌒¨¨ \   )/ ノ'′: : : : :/ノ /  \ 〉}
    /     `ニ=-<´ ∧〉≧=‐―‐‐'′ /´/
    〉 .           }::i:|   \、__   ゝ{
.   〈  \\       /:/{{⌒ヽ__ }:::| =- .
   /     \\    /:/ \__ノ:::::::...、  ∧
.  /        \\_/:/  }:::::::.\::::::::.\ ∧
  ′       \::/   ′::::::::::.\::::::::.\ー‐ァ
           ∨/  |::::::i::::::::::::::::::::::::::::::.Y、
 i           ∨  ∧::::|:::::::::::::::::::::::::::/ `ー┐
 |            \/ ∧:|:::::::::::::::斗<..}     :i\
 |     . . . . . . . .    ヽ ⌒¨¨ア´ _,   < )       \
 |   . : : : : : : : : : : : : : /     `¨(___ O `¨)     `7ーァ

259  名前:◆NBJATnhEhM[] 投稿日:2021/02/27(Sat) 11:17:55 ID:33e620ff
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260  名前:◆NBJATnhEhM[] 投稿日:2021/02/27(Sat) 11:17:55 ID:33e620ff




                      一年が過ぎた。






                          |                     i
                          ∧               ∧                            I
                           f扞ミ         I        「」                            八
                      」」L」      八      γ^ヽ`ヽ                          匚]
                    γ´/ } `ヽ   「「」 ∧  _f____Y´ |             ∧           /:.:.∧\
                    f竺竺竺竺彡, γ__メ∠\ |.∩ . |∩|            /:.ヘ           | ̄ ̄| ̄|
                      h x=xx=x ∩|_丁x=ミ .| |丁 |_|_| | :|/|─,.ィ^ヽ──ァ─‐/___∧‐。ot───ー‐|  _ | i i|
              ___∧|_|_|__|_|_」L⊥┴i|│ │| |┴ァヘ ̄^|  |/:_|\_,.>'":_:_:_/ー‐'ィ^ト、:.:.:.\:_:_:_:_,癶=ニ二i|_i_i|
   |          /:.:.:.:.:.:.:.:.| _,.。oi()io。.,| / ̄ |┴_┴|'"|:.:.∧ ∧_,,|。o1^\| | |/ ̄ ̄,.。o≦Ⅵ.| | |_,. -' |ニニリ _ -'' ¨ i i| i i|
   八           |¨¨¨¨。o≦≧s。:_ - 丁 ̄ ゙̄|     | |¨/::ヘ ,口_ |/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄∧:.:.:. :.:_l | | |   _|。o1「i.∩.i i i i| i i|
   口           |TTT| ̄ 「」  ̄|  / ̄ ̄¨| ̄_ ̄|¨z/:::::::∧∧\───‐_‐‐。oiヘ丁 ̄i| | |_, ┴_,丁i i i i i i 「| i i i_ - ¨
 /∧ \    _ ,.||-=≦i:i:\_「」__|/:_:_:_:_,,。o≦i:i:\|//__∧∧∧_>r─_∠,癶二ニム|,.。oi| | |- ¨ | | | i i i i i _ ┴ ¨
 _|TiT| ̄| -=≦i:i:i:八i:i:i:ニ=T==========。o≦「| ̄ ̄ ̄,.。o≦\|TT¨¨T|_|=ニ二j 「」=- '゙i i i i i|_| | |「| | | |_,. - ¨
  |TiT|7三三三三三三三三三三三三三三三三三三三:三:三:i|TT¨¨T| ̄|ニ=-イ i∩ i i i i i i i i| | | |」'┘¨
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   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


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261  名前:◆NBJATnhEhM[] 投稿日:2021/02/27(Sat) 11:17:55 ID:33e620ff



  一通の手紙が城から届いた。
  
  両腕のない女が神殿まで連行されてくるとのことだった。





              r'"⌒'i                               i'"⌒':,
              |    |ー‐v一-r‐‐-、,,_             _,,, -‐一'''"´|    i
             |    |           ̄""'' ー--一 ''´ ̄`~       |    |
            |  .::|                                |:  |
            |   :|                               |'  |
           |  .:|                                   | ;   |
           |   |                                 |   |
          |  :|                               |:  |
          | , |                               |:  |
           |   |                                 |   |
           |  |                                  |   |
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             |    |                                |:   |
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              if"⌒)                                 !'⌒゙iノ
              ゙ゝ-‐‐-===、_,,,__                    _,.-~'^ー一'′
                       ̄""'' ー---―一 ''゙~´ ̄`~


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262  名前:◆NBJATnhEhM[] 投稿日:2021/02/27(Sat) 11:17:55 ID:33e620ff



  私はそれを読んで我が目を疑った。
  
  結局私はアサクラを説得することに成功し、彼女のやっていることを責めないようにと言い含めておいたのだ。
  
  さらに最寄りの寺院に対しても神殿から正式に使いを出し、あの村には私の友人がいるから
  
  何かあったら直接こちらまで知らせるようにと命じておいたのである。
  
  予想だにしないことが起きていたとしても、ここまで事態が一足飛びに進行するものだろうか。




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     _/⌒\   ,-{__∨: : : :\}__/イ: : 、: : : \ /  \
    「 ̄\__ノ/:{: 从: : : : : {\:/{: : : :∨: \: : : ∨´ ̄ ̄ )
    |    〃 : /: \:{`ヽ、: : |ィ≦ミ、: : : :| : : 、:\: : \ <´
    L_  //: : :{: ,ィ笊ミ、 \} V:j::り ヽ: ∧}: : ,\:}: : : :\/_
      /フ' |:,: : :Ⅵ V:j::リ ,       ∧}: : : /: :|: : :\: : :<´
       乂__|∧ : 从     _ -― 、   /:イ: :/: : :| : : : : ヽ ⌒\
           |:八: : :ム   ∨:.:.:.:.:.}∧  /:,イ: : : : :从: : : : :}
        /   \:人   ヽ:.:.:.:. : ノ  ィ / : : /, : }\: :/
             ∧:}: >   ` ¨´ < |/: :/: /: : |  ∨
            /: :リ ,: : : /:`: T´    {:イ`ー― ┴- 、
             {: : :/ \: l: :/|   / |'         \
             从/  _, >' ∧_/\              \
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            / /   / {  l|'     \     \      ヽ、
          「´  ,'   / -乂_ノ      l\___/\__/∧
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           ∧  /⌒7¨'「  |::::::\:::\  乂_ 、___ィノ_\_(  /
         乂7 /_/_j   |::::::::::::>:::\   / _/ | \ 〉__(
          \_/__∧   }:::::::::/ \:::::::)  ∨{ _|_,イ
           {∧_/{_ }   /::::/    ̄   `T|    {

263  名前:◆NBJATnhEhM[] 投稿日:2021/02/27(Sat) 11:17:55 ID:33e620ff



  手紙はこう続けていた。
  
  くだんの女は最果ての村を足掛かりに広範な地域に対してよこしまな慣習を広めた。
  
  壺を死者の肉体と見立てて土中に埋め、魂の生まれ故郷への回帰を願うというものがそれである。
  
  この邪悪な習慣を受け入れた民衆は彼女を一種の神とみなしている。
  
  城は聖なる信仰を守るために、軍を用いて彼女を捕縛した。
  
  神殿におかれては彼女を処刑されたし。






           _  _  _  _  _  _  _  _  _  _  _  _  _
           )(  )(  )(  )(  )(  )(  )(  )(  )(  )(  )(  )(  )(
          /.  ∨  ∨  ∨  ∨  ∨  ∨  ∨  ∨  ∨  ∨  ∨  ∨  ',
            ヽ_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_ノ




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264  名前:◆NBJATnhEhM[] 投稿日:2021/02/27(Sat) 11:17:55 ID:33e620ff



  私はアサクラを呼んで事情を聞こうと思ったが、彼女の方でも何も把握していないようだった。
  
  アサクラは各地の寺院に使いを出し、両腕のない女のことを聞いて回った。
  
  その結果分かったのは手紙に書いてあることは真実であるということだった。
  
  それにしても、私はあの村を発つ前に彼女と村長に警告を出したはずだった。
  
  「あまり大掛かりなことはするな」 と。
  
  だが彼女は結局それを聞き入れなかったのだ。




 /     /  〃/   イ f``ヾー "´´ | |   l |   │    !
ヽ|   l   |   | !|    :| |        | |   l |   │   ! !
ヽ|   l   |   | !|    :| |        | |   l |   │   ! |
ヽ|   l   |   | !   | |_      、__| |   :j ! |    |   |i| |
!∧  l   l   _jzム≦た!ニf'"    ヾにj≧kムj、|     j   リ| |
li '、  !  ヽ'" | j \  l {        / /  /丁7    /   / | |
|:  ハ ヽ__ト、ィ''チ示アミー       フイ''テ圷、/   :/  ,' / j/
|:  { l`、_,,ム<{イ f::::`イ}         { f:::::`イハ>┬='_/ノ
l   ヽl    ! V^tzc'         V^tzc'  /!¨´  「
| l   l     l  ゝ=='-            ゝ=='´ / i     |
| |   |     |!           !          / !     |
| |   | i   ハ、        '        /  i.    |
| |   | i    !ゝ、       ー ‐       ,. イ  i    |
| |   | l    ',   i> 、       , ィ<1/  /     i|
| |   | ∧.   ∨ i|.  > 、 __,. < l //  /     i|
| |i  ヽ ヽ    Vi|             | {/   /     八

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265  名前:◆NBJATnhEhM[] 投稿日:2021/02/27(Sat) 11:17:55 ID:33e620ff



  どうしてだろうか。 いや、推測しても仕方あるまい。 直接女に聞くしかない。
  
  戸惑う私を、アサクラは諫めた。
  
  これは明確な造反行為であり、処刑は決行する他ありませんよ、と。
  
  私は分かっているとだけ答えた。
  
  しかし喉からはとても小さな声しか出てこなかった。




                           __
                      _.、-' ,.- 、._     ‐ 、
                   ,:ー 、'´  /    `ヽ、.._   ヽ_
                    /   `ヽ、/    ヽ     ̄`ヽ 〉ヽ
                /       | 〉    '.   i     Y  |
               /       .ト ハ     l   |   l. ', ト.
                  / i       | lニ'^´ヽ |  ト.  1   .|  |   〉
              | |  | | | l     | |l.  |」.斗|ー | ! / 〉
              | |  | | | |   」斗ヒ] ヒ_ jハ.  ! リ、 ,ハ
                 |  、´l ̄j.ニト    ´ ヘ´r‐、 iンL.ル | Y | ',
                ヽ!、  |ヽゝfVrt.',      うッソ|.     レ  | ',
                 ー\|ヽ. 込}         ̄ | l    l   ト. ',
                   |  ',   '        | |  | l   | ヽ ',
                   |   ヽ    -    ,. |,'!  ,′′  !  ヽ
                   ||   `ト,、._   /   | ./ ,′   |\
                      、ト.  ハ.| l/ ヽ ´   .ノイ |/    .|ァー-
                      ハ   | ∨ //    , イノ       /|   . -
                  rイ/  ヽ| / /'二.ー .._/,/     .// /
          .        / | }′   .l,/´_ `ァ' /      //,.'
              ,r ´  | |    ,′   `ン/      ///
              r'|     | |     |    //       ///

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266  名前:◆NBJATnhEhM[] 投稿日:2021/02/27(Sat) 11:17:55 ID:33e620ff



  手紙が届いてから一週間後に両腕のない女は連行されてきた。
  
  彼女は、妊娠していた。
  
  傍目にも分かるほど女の腹は膨らんでいたのだ。
  
  それを見て私の心は揺れた。
  
  まさか赤ん坊ごと殺さなくてはならないと言うのだろうか?
  
  私は神殿に住み込んでいる女の医者を呼び、彼女を診るようにと命じた。
  
  出産はいつになるだろうか? 答えはすぐに返ってきた。 正確な所は分からないが、おそらく三ヵ月後だろう。



                     |  | _,r≧r-  < ト /  ノ /′.、 ヽ/
                     | ≦/:∠ }:      /  /> ._:::::::Y´
                 /ニニ/:/ 、 .:      ルN/: : :/}≧=::..
                仁ニ/:イ   `ヽ ...:: -─ /: : ://ニニニニヽ
                {ニニ{..{ニ、,、,、,、,、,、,、,、,、,、/: : :/イニニニ=/ニ゚ .
               }ニ/::/ニニニニニニニイ: : /ニニニニ/ニニニ∧
               ハ/: ::{ニニニニニニニニ}: :仁ニニニニ/ニニニニニ゚.
              {イ: : : :`≧=───=≦´: : {ニニニニ/ニニニニニニム
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267  名前:◆NBJATnhEhM[] 投稿日:2021/02/27(Sat) 11:17:55 ID:33e620ff



  私は城に手紙を書いた。
  
  この者は妊娠しているため、出産までは処刑を延期したいと思います。
  
  そこまで書いて私は紙を破った。
  
  それを伝えたら、おそらく城はすぐにでも処刑しろと迫ってくるだろう。
  
  異教の神の子供を生かしてはおけない、と。
  
  私は 「諸事情のため処刑を三か月後に延期する。 正確な日付は追って知らせる」 とだけ書いて城に出すことにした。



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                                  . ''": : : : : : : : : : : : :ヘ
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            __  . -‐   ´     : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ヘ
       i ̄ ̄                 : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ヘ、
        i,                    : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :ヘ
        i,                    : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : \
     ニニニニi,                    : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :\
     マ三三i,                          : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :  \
      マ三三i,                          : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ‐´\
       マ三三i,                        : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ,. ‐''"      \
       マ三三i,                      : : : : : : : : : : : : : : : : : ‐ ´         \
       マ三三i,                          : : : : : : : : : : : _,. ´              \
       マ三三i,                         丶: : :::  ‐  ´                      \
        マ三三i、                       ,`、´                           \
        マ三三i、                _,.-: : : : : :\
          マ三三i,                  . ''": : : : : : : : : :\
           マ三三i、           ´: : : : : : : : : : : : : : : : :\
            マ三三i,       ,. ‐''": : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : 丶
            マ三三i,- ‐ ‐ ´                     : : : .
           マ三三i,                          : : : . .、                ´
           \三ニ\                                ` 、            ´
             \三ニ\                               ` 、       ´
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                \三ニ\                              ´
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268  名前:◆NBJATnhEhM[] 投稿日:2021/02/27(Sat) 11:17:55 ID:33e620ff



  私は翌日になってから地下牢を訪ねた。
  
  彼女と面会するのには勇気が要った。
  
  殺す者と殺される者。 今までその立場は私にとって絶対のものであり、迷うことはなかった。
  
  そもそもが神と人なのだ。
  
  しかし今回は違った。 彼女は明確に私の属する世界の外からやってきた者であり、本来は対等な友人だった。
  
  地下牢の廊下を歩く間も私は迷っていた。 いつもの神としての仮面をかぶって事に臨むべきだろうか?
  
  だが彼女の収監されている牢の前に立った時、迷いは消えた。 そんなことは無駄だ。
  
  虚勢を張ることにしかなるまい。 お前はただ、心の赴くままに振舞えばいいのだ。



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269  名前:◆NBJATnhEhM[] 投稿日:2021/02/27(Sat) 11:17:55 ID:33e620ff



  私は牢の中に入った。
  
  「こんにちは」。 私が声をかけた時、女はまだ眠っていた。
  
  女が起きるまで私は待った。
  
  やがて女はゆっくりと瞼を押し上げた。 そろそろと辺りを見渡し、それから私の存在に気づいてこちらを見据えた。
  
  「お前が直接手を下すのか」
  
  「ええ、そうよ。 これは、そのための鎌」
  
  私は持ってきた大鎌の刃の部分を相手に見せた。 これなら確かによく切れるだろう、と女は言った。



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270  名前:◆NBJATnhEhM[] 投稿日:2021/02/27(Sat) 11:17:55 ID:33e620ff


                  _,.     ̄ ̄`  、
   ../, ̄:\ ,  ´ ̄ ̄´            `
   ./:://:::::::::::\                    \
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   .|:::| |:::::::::::::r-- 、`ヽ--/ イ ̄{/∧/  /∧⌒\  }
   .{:::{ {:::::::::::::}  /∨_{//__}: : :\__ノ: : |_,/⌒ヽ/
.    \:::、::::: 〈 /: : //: : ': : ': :/: : : : : : 、: :|:|: : :∨⌒ 、     「私は怪力よ。 首を一発で両断するから、その時のことは心配しないで」
  ..r::::r\/:::∨:': :': |: :_|:_:_|: :{: : : : :|:_:!」:_: |:|: |: : :. _ノ
  ..{::::{ {:::::::::::: {/|: |: :{: /{Ⅳ{:从: : : : }从}/从|: |: : :∨   \ 、
   .マ:::マム::::::::::::,{: {: |Ⅳ,ィチ丐ミ∧: :/ィチ丐Y}: ;: }、: :.     ∨\
    . \:マ::::::::::/ 从:{: :ム ヒ:i:リ ` ∨ ヒ:i:リ /:イ:/: :Ⅵ     }// \
    .//\-=:/  /:\:} 人    '    ムイ: : : : }      /////∧
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   .//// マム  从 八: ヽ:}: :,.ィ} `¨´ ,ト、: {:イ: : :{: /     //イ   マ/ム
.   ////  /ム    /⌒乂{  \ / }l}フ⌒ヽリ___////∧   ∨∧
. //// ,、/' マ\_/   乂:,  ,ィ介、 //フ   ://////'  \}    ∨∧
. ////イ  l/、\_/   / 、∨乂__ノ∨イノ    \¨¨´ ̄`ヽ´ `ヽ  ∨∧
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               ∥: : : : : :7!i : : |!: : |: :|: : : ∥ `´~ヾ! : :、 : :.    「私はすぐにでも殺されるのだろうか?」
               ∥: : : : : : l:|:!: : :!|: : |: :!l: : :l:!       |:|: : } : ハ
               ':!: : : : : : :l: |!',: :|:! ̄!:T-- l- '    |:l: :メ: : トl
                  l:l: 、一 =l: : : ゞー芹示ミヽ! |   /ー-/ |l::/ }
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               l: :|: : : : : :l !l:ゝ -彡イニニニニニニヽ.: :.:|
            l: :i: : : : : :j | ゝ= '/ニニニニニニニニム: : :|
              l: :l: : : : : jニ|ニニ/ニニニニニニニニニ=-: :|
             ,': :l : : : : 7ニ乂シニニニニニニニニニニ=-:|
             /: /: : : : /ニニニニニニニニニニニニニニハ
          / :/: : : : /ニニニニニニニニニニニニニニニ!

271  名前:◆NBJATnhEhM[] 投稿日:2021/02/27(Sat) 11:17:55 ID:33e620ff

.      _
     //_\          _ -―‐- _
    . /_//_____\       -ニ ̄         ̄ニ-
    |_//__________\/                 \
    「| [_____________∧     ≫―=ミヽ、___        \
    |_l l________________>-=《  /⌒)  て⌒ミー- 、    -_
    |_l |____________/ ____ノУ  └t_)〉   \  )人   -_
   \\________〈(⌒^ア ̄´  ./|  Т     L∠⌒^\_ `    「いいえ。 あなたが子供を産むまで我々は待つことにするわ。
      .Ⅵ|_________≫/      / |i  乂       `⌒\ 乃  〉
     |_||_____//| i  :/|/ ヽ八   ト   |     Υ ( /   他の神官たちにもこのことは伝わっているから、
      [辻__〈( / 八人 :j灯功ト \Ν \ |     |\〉
         `V从   \| .Vツ     f巧灯〕   /  :|/     してほしいことがあれば何でも言って。
          )人   Ν       Vツ /  /  /
         ∠ イ   | \  、  _,   幺イ  / /       ここには医者だっているんだから」
           八   乂 :〕ト  _,  r≦ jリ /}/__
           _〈  \__>]|_    jトy/_イ 7フ/⌒〉
.           {⌒マ爪n /〉   アYTΝ〈( ̄  // 乙└ャ
          .厂 /乙j.|//,⌒> /j山 | い .∩// _r┘ /
       _>'゙    |.| | {_>‐-ミ .r‐さ ヽ\| |/ 乙   \__
.        /      /   /⌒\/⌒',     ∨⌒´       〉       _
. _____⊥<二ロ二フ/    {      }     \ <二ロ二フ     /_|
. |____||_乙/⌒7ァ/  ノ   ⌒こYこ⌒ \)    )トL.北r┘\ /||___|
. |____||_/`⌒>''゙   __/ ̄________ ̄>、__  〕 √ト ,,,_  \__|l___|
. /___/  '"~      イ  /__/_________∧.∧ `^⌒け\〉   ̄ ⌒\__j
/_/       -=ニ/   /__/========|__∧   {/^⌒\      ∨



                  _..,,.._   _..,,.._
               , :.:.´:.:.:.:.:.:.:`´.:.:.:.:.:..:.:.:.`ヽ
                .:´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:..:.:.:.:.:.:.:.:.:.': .
                  .':.:.:,:.:.:.:.:,r 、:.:.:.:.:.:.:.:, 、:.:.:.:ヽ:.:.:.:.:.':.
              .':.:./:.:.:.//   \ ,/.  '.:.:.:.:.:ヽ:.:.:.:.:'.
             .'.:./:.:.:.//`ヽlVヽY/l/´ '.:..:.:.:.:.',:.:.:.:.:'.
            .':.:,':.:.:.,':,'           .l:.:.:.:.:.',:',:.:.:.:.:'.    「子供を産むのは初めてのことなんだ」
              l.:.,':.:.:.,':.l              |:.:i:.:.:.:l:.l:.:.:.:.:.'.
               j:.:lハ:.:l:/___,ノ  、___lー':.:./:/:.:.:.:.:.:'.
             .l_,,.',:.iヽ|ィt=ャ-、    ,ァt=ャ‐、,/l/:.|:.:.:.:.::.:'.
          / :}:ハミヽ辷リ        辷リ_ノ' l:.:.:.|`ヽ:ハlヽ
          `ヽ_j:..:.:.://l//      /l///|:.:.:.|  >.}:.:l
             j:.:.:,':.i:.:.ハ      !        八:.:|ー´ :ヾ.〈
           .';.:/:.:,':.:.:.l`.、    __    ,イ:.|:.:.:.|:.:.>、:.:l:.:.)
            .':.:/:.:/:.:.:.:j:.:.:..: 、     `   イ:.:.:.:|:.:.:.',:〈:.:.ヽY、
           ..':../:.:/:.:.:.:.,':.:.:.:.:.:..:> _   < |:.:.:.:.|:.:.:.:.',:.〉、:.リ.:l
         .':.:/_./:.:.:.:/.l:.:.:.:.:.:.:.:.:j、___,,...j:.:.:.:.|i:.:.:.:.:',ヽ:.ヽノ、
    _,,.. -‐''"´;;/:.:.:.:/:.ノ;;ヽ-''"´, 、_, -、テ―‐'ヽ⌒|!:.:.:.:.:.',´ ̄ ̄`;;;,,,、
  r';;;;´;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/:/:.:/ー'⌒ヽ,. ‐'´/  /_    ,r'‐、;;|.:.!.:..ヽ',;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`ヽ
  l;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/./::i/;;;;,._Y´/ _,/ _     ヽ⌒ヽ;;;;;;;;;|/l:.:.:.:lヽ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;゙i

272  名前:◆NBJATnhEhM[] 投稿日:2021/02/27(Sat) 11:17:55 ID:33e620ff


                      . . : : ´: : : : : : : : : : -
                     /: : : : : : : : : : : : : : : : : : :`:.
                      /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :\
                  /: : : : : : :/: : : ; : : : : : : : : :_: : : : : : : \
                   /: : : : : : :/ : : /: : ; : /: : : :./ミヽ/:ヽ: : : : ヽ
               ∥: : : : : :7!i : : |!: : |: :|: : : ∥ `´~ヾ! : :、 : :.
               ∥: : : : : : l:|:!: : :!|: : |: :!l: : :l:!       |:|: : } : ハ
               ':!: : : : : : :l: |!',: :|:! ̄!:T-- l- '    |:l: :メ: : トl
                  l:l: 、一 =l: : : ゞー芹示ミヽ! |   /ー-/ |l::/ }   「上手くできるか自信がない」
               |:|: : ヽヘ(`l : : : : |  乂rソ       !示ヽl |l; ノ
                 |:| : : : :\ l : : : : |          ゞ' /:!
                  |:l: : : : : : :.l : : : : |            / /: :|
              l:l: : : : : : : | : : : : !            / : :l
                , | : : : : : : |: : : : : ト      -=,ァ  , : : : :.!
              ; :| : : : : : : |: : : :|: :| >      /|: : : : :|
               i: | : : : : : : |i: : : :l: :|    `  -: : : :|: : : : :|
             l: :!: : : : : : |l:l: : : :乂ヽ-…-/ : | ,,_ : | : : : |
               l: :|: : : : : :l !l:ゝ -彡イニニニニニニヽ.: :.:|
            l: :i: : : : : :j | ゝ= '/ニニニニニニニニム: : :|
              l: :l: : : : : jニ|ニニ/ニニニニニニニニニ=-: :|
             ,': :l : : : : 7ニ乂シニニニニニニニニニニ=-:|
             /: /: : : : /ニニニニニニニニニニニニニニハ
          / :/: : : : /ニニニニニニニニニニニニニニニ!



                ___  ,......-- 、
      ___     /´            `ヽ、
      /:.//:.:`ヽ、/´                  ` 、
     {:.:.{_{:.:.:.:.:.:.:.:`ヽ、                    \
       }:.:.//:.:.:.:.:.:.:.:/´`ヽ、_ _____,ィ´`ヽ、  \     }
    ..//-´:./ ̄/____ l ̄ ̄ ̄´| ____\ ̄ー-、  /__       「出産が近づいたら熟練の産婆さんを連れてくるわ。
.     l l:.:/    { /: : : : :l/       l{: : : :\` }    ヽ、  \
      ..、´`ヽ、   V: : : : : : : {_____,ノ: : : : : : V__, ――冫    \   それでいいかしら」
.      :>、{  `ーl': : : : : : l: : l: : : : l: : : : :\:_:_:_:_:ヽ、: : : :\/   __ヽ
         ヽ  /|: : :,: : :,-l―l、-,: : \: :、イ: ヽ: :-: : : ゝ: : : :lー-'    /
          l / ||: : :l,: : l: |: : :ハ: ヽ: : :ヽ、\ 、: :ヽ: :\: : : :.,:|  __,/
.           l/ リ: : :ヽ: :゙、: ィ示i心 リ`\ィ示心ミ: :l`: \: : :.!/
         `ヽl_!:l: : : \: 、弋z(ソ    弋z(ソ/: イ: : }: : :ハ: ,
           リ!ハ: : ,: ト,: :\_    '     彡': /: : /: : :} 、ゝ
           / ,r ヽ: :l: },: } _ `ヽ` ´  ,. ィ: :/: ,イ: : :/
           /   }: :/l:/ノ:,-ゝ-`- <!__,l: イ:/ l:.!: :/
             /‐- 、 l:/-=´-' \l     .|/ `ヽ--,--ァ_
             //////}ォ-l:.l    `ヽ、__/ヽ    l:.|_ノ_ ヽ、
         /-、//// }_ソl:.:,   /:.////}、ヽ   l:.!__ノ   `ヽ、
           /  `ヽ/ 人,∧:.、  /:.//:.、/ソ:.`ヽ、 //_ソ      ヽ
          ,'    ,'   }ソ_、:.V:.//:.:.:l:.:.:l:.:./´\/_ノ,       /
        ,    ,{    ヾ-ミ\/ ヽ:.-:.:/l:.ソ     l         /

273  名前:◆NBJATnhEhM[] 投稿日:2021/02/27(Sat) 11:17:55 ID:33e620ff



             ,.:.:.´:.:.:.:.:.:.:.:.`:.:―- ..、
           ,.:´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`ヽ
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           /:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.,:.:.´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`、
           ./:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.://:.:.:.:.:.:.:.:.:,,..、:.:.:.:.:.:.',
        ./:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:/:/:.::.:.:.:.:.:.::./ヽi、}:.,、.:.:.:.',
       /:.:.:.:.:.:.::.:/:.:.:.:/:/:/.,_/::. /    `ー|:.:.:.:.:l
       ,':.:.:<´二/:.:.:.://:./_,._, `/ 、      .|:.:.::.::l      「ありがとう」
       ,':.:.:.:.:.\.l:.:.:.:.:|/i/ //、   _\     |:.:.::.:.l
       ,' .:.:.:.:.:.:.:.:j:.:.:.:.:l. |// `'''ー'`   ,,-‐-j:.i/:.:.j
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     ,'.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:|、    、     i/:.//|/
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   ../, ̄:\ ,  ´ ̄ ̄´            `
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   .|:::| |:::::::::::::r-- 、`ヽ--/ イ ̄{/∧/  /∧⌒\  }      「いずれにせよ、あなたはじきに死にます。
   .{:::{ {:::::::::::::}  /∨_{//__}: : :\__ノ: : |_,/⌒ヽ/
.    \:::、::::: 〈 /: : //: : ': : ': :/: : : : : : 、: :|:|: : :∨⌒ 、       それまでの時間を有効に使いましょう」
  ..r::::r\/:::∨:': :': |: :_|:_:_|: :{: : : : :|:_:!」:_: |:|: |: : :. _ノ
  ..{::::{ {:::::::::::: {/|: |: :{: /{Ⅳ{:从: : : : }从}/从|: |: : :∨   \ 、
   .マ:::マム::::::::::::,{: {: |Ⅳ,ィチ丐ミ∧: :/ィチ丐Y}: ;: }、: :.     ∨\
    . \:マ::::::::::/ 从:{: :ム ヒ:i:リ ` ∨ ヒ:i:リ /:イ:/: :Ⅵ     }// \
    .//\-=:/  /:\:} 人    '    ムイ: : : : }      /////∧
.   ,'//∧ ̄  ,: :{: {: {: : :>  ` ´  イ: : /: : : : /    ///`ヽ/∧
   .//// マム  从 八: ヽ:}: :,.ィ} `¨´ ,ト、: {:イ: : :{: /     //イ   マ/ム
.   ////  /ム    /⌒乂{  \ / }l}フ⌒ヽリ___////∧   ∨∧
. //// ,、/' マ\_/   乂:,  ,ィ介、 //フ   ://////'  \}    ∨∧
. ////イ  l/、\_/   / 、∨乂__ノ∨イノ    \¨¨´ ̄`ヽ´ `ヽ  ∨∧
.,'///      /    ,:  /:::::::::\/  :.      :.         \ },//〉
.{//{        {     {  /::::::/::{::::::::::>  }     }          /イ//
.∨イ       \     :. \:〈:::::|::::イ   ,     イ}           ///
 ∨         〈乂>r- }   `ヒ|ll|フ     /、-rイノ'           //イ

274  名前:◆NBJATnhEhM[] 投稿日:2021/02/27(Sat) 11:17:55 ID:33e620ff

                     ____
                            `丶
           /く\              \
      厂 ̄`丶   \〉             ハ
     .|....{.............\  く\   -‐━‐-ミ  くノ |
      \_〉-‐‐-ミ...\  >'^........ -‐━‐-ミメ、 |
    / ̄`⌒>............`丶〉⌒し'⌒ヽ__ノ⌒丶   \‐‐-ミ     「……いえ、それは私にとっても同じことだわ。
  く................{............ _/ r‐-ミ___厂   |\__\_r-ヘ、____〉    
     ̄\......〉、___/ r-┘| /八   |´ ∨  {   丿    その時が来ればあなたとお別れしなければならない。
    .../ ̄し-ヘ.__丿   rテ芋ミ\   xテ广}  {__厂      
     く__/ }      V.り     V {.ン んヘ. {           それは私にとって、とても辛いことです。
.        └-}   } |   { "      " 人  ∨
          .厶ヘ  } |  {ト     c     l  j乂__.         だから私もあなたとの時間を大切に使いたいと思う。
          ∨V \ {‐-ミ>‐< }丿 /
            丿r-‐' \〉   \ノ┐〕iト .∨             友人として、そう思っていても迷惑じゃないかしら?」
             .丿-ミ `く     /(0)∨_〕
          .′  し┐`く_/ }.......〉 _〕 {
           {       し┐  }....{ V   \
        . / ̄〉\        \ノ.........\゚。    }
      /----し'^ }        }................〉ト、___丿
.   /-------/ く__rく三アく_ノ⌒¨´/__r-┘、
  ./-----/V-/  厂し-ヘ.__ノ〈 /   {  |\--\
/-----/  V    }..._j∧   ∨    {    \--\



                             _,,,,,,,,,,,,,___
                             _,,.-‐'''´      ̄`ー,-.,,__
                         ,r''´  ,, ''  ,r'      `  `ヽ、
                     . ,r''´ ,, ''   ,,r'´,. '  ,, '   ,     `ヽ
                     ,r'フ ,, ''   ..:;;r''..:; ',  ., '' , '  .;
                   ,r',r'’,,.'', '.:..::,r'7"..;: ', ' ..,::' ..;:'    ;';..
                  ,f /., ''., ' , ' ,r',r'’.:;:'.,.' .::..;:'  .:;:'   .: ;: ;::.        「我々はまだ友人なのだろうか?」
                ,/,イ,/ ,,/ .,f /..:::;/,/ ..:::;:'  .::; ..:   ..:::;: :;:::.   :.
                    レ/,i' ,イ ./ /.::;;イ:;i'.::::::;i ..::::;'..::   .:::;: .:;::::. :..  ::.
                    レ レ/ / /.::///i.::::::;i .,'.::::;:'.::;'::  ..::::;: .::;::::: :::::.. ::
                   i / ./.:/// ,!::::;i' ,.'.::::;'.:::;'::::  .::::;:. .::;:::::..::::::::::
                 _,ノ レ' f/ ,i`、;ii ,i.:::::;'.:::;i::::::. .::::::;:. .:::;::::::::::::::;::
             ┌-‐''´     `ーi、:;/i;/!:::::;i::::;i::::::::. ..:::;:;::..:::::;:::::::::::::;::
                 i        .、/ ヽレ !、::;!l:::;!l::::::::..:::::;:;:::::::::;:::::::::::::;:::
                  ヽ        `、/`、 !:`!:i:::!:i;i;:::::::.:::;:;:::::::::::;::::::::::::;:::
                  fヽ        `ー‐ヽ v`:!:l::l:::'i:::::::::;:;::::::::::::;::::::::::;::::
              ,! ヽ           !::i;!::l:::::ヽ::::::;:;::::::::::::;::::::::;:::::
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             ,!                i :::::::l ::::::l´k ヽ:::'i::::::::;::;:::;:':::
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                 `ヽ、           l ::::::;! ::::::i_,/::i:::::i;:::::::Y::::::;!:::
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275  名前:◆NBJATnhEhM[] 投稿日:2021/02/27(Sat) 11:17:55 ID:33e620ff


                         ̄ ̄ ̄
     .┏‐-ミ  / ̄|/                 `丶
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.       !}}...................V |    /⌒丶-‐く   / ̄\)‐-ミ|
      }}} ................. r-‐ァ^7       V{     {___/ ̄〉
.     /∥...............⌒L/ {/ ̄ ̄L.......ノ      |     く_
      .{...{{.................//   _)   /   |     ∧   {  _)
. r―‐‐-ヘ..\....../.../⌒7^     { .斗‐|-   7 厶   { /      「私は友人でいたいと思っているわ」
丿......................>`^.......人        { .斗-ミ  {V x(_j ∨ 〈\
. L/ ̄`ア............./ __)       X(_j.ハ \{  vり ハ  | 丿
    ./................  丿     {   { 乂_リ       、 {  }丿
   .く_厂\__/( ̄/    人   乂___       八  〈
           `7  /      `丶  <⌒   ‐ァ     l\ |
            .| /|  ./      V 个ト . __/  /  }ノ
              ∨人 〈\ |  |   } /___人   {___
              \〉^}丿__丿 ノ--]_    ‐--‐ ⌒
                  /        (0) `丶
                  .′      }、   {   \




                      . . : : ´: : : : : : : : : : -
                     /: : : : : : : : : : : : : : : : : : :`:.
                      /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :\
                  /: : : : : : :/: : : ; : : : : : : : : :_: : : : : : : \
                   /: : : : : : :/ : : /: : ; : /: : : :./ミヽ/:ヽ: : : : ヽ
               ∥: : : : : :7!i : : |!: : |: :|: : : ∥ `´~ヾ! : :、 : :.
               ∥: : : : : : l:|:!: : :!|: : |: :!l: : :l:!       |:|: : } : ハ    「私はただ乞われただけだ。
               ':!: : : : : : :l: |!',: :|:! ̄!:T-- l- '    |:l: :メ: : トl
                  l:l: 、一 =l: : : ゞー芹示ミヽ! |   /ー-/ |l::/ }    生まれ故郷で死にたい、と。
               |:|: : ヽヘ(`l : : : : |  乂rソ       !示ヽl |l; ノ
                 |:| : : : :\ l : : : : |          ゞ' /:!       それを非常に間接的な手法で叶えた。
                  |:l: : : : : : :.l : : : : |            / /: :|
              l:l: : : : : : : | : : : : !            / : :l         お前たちがやっていることの邪魔をした訳ではない」
                , | : : : : : : |: : : : : ト      -=,ァ  , : : : :.!
              ; :| : : : : : : |: : : :|: :| >      /|: : : : :|
               i: | : : : : : : |i: : : :l: :|    `  -: : : :|: : : : :|
             l: :!: : : : : : |l:l: : : :乂ヽ-…-/ : | ,,_ : | : : : |
               l: :|: : : : : :l !l:ゝ -彡イニニニニニニヽ.: :.:|
            l: :i: : : : : :j | ゝ= '/ニニニニニニニニム: : :|
              l: :l: : : : : jニ|ニニ/ニニニニニニニニニ=-: :|
             ,': :l : : : : 7ニ乂シニニニニニニニニニニ=-:|
             /: /: : : : /ニニニニニニニニニニニニニニハ
          / :/: : : : /ニニニニニニニニニニニニニニニ!

276  名前:◆NBJATnhEhM[] 投稿日:2021/02/27(Sat) 11:17:55 ID:33e620ff


             ,.:.:.´:.:.:.:.:.:.:.:.`:.:―- ..、
           ,.:´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:`ヽ
              /:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:':.、
           /:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:.:.,:.:.´:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`、
           ./:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.://:.:.:.:.:.:.:.:.:,,..、:.:.:.:.:.:.',
        ./:.:.:.:.:.:.:.:./:.:.:.:/:/:.::.:.:.:.:.:.::./ヽi、}:.,、.:.:.:.',
       /:.:.:.:.:.:.::.:/:.:.:.:/:/:/.,_/::. /    `ー|:.:.:.:.:l
       ,':.:.:<´二/:.:.:.://:./_,._, `/ 、      .|:.:.::.::l   「それなのに、なぜ私はここに連れてこられたのだろうか?」
       ,':.:.:.:.:.\.l:.:.:.:.:|/i/ //、   _\     |:.:.::.:.l
       ,' .:.:.:.:.:.:.:.:j:.:.:.:.:l. |// `'''ー'`   ,,-‐-j:.i/:.:.j
      ,':.:.:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:l            /、_,´/::.|:.:/
     ,'.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:|:.:.:.:.:|、    、     i/:.//|/
     ,'.:.:.::.:.:.:.:.:.:.:,|:.:.:.:.:| ` 、    ー‐  イ:.:.:.:´i:.:.{
    ,':.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:/|:.:.:.:.:|:  \_  イ:.:.:.: |:.:.:.:.:.:|:.:.|
 _,,..r''´ ̄`''ー-ノ`|:.:.:.:.:|__/=、,,、|:.:.:.:.:.|:.:.:.:.:.:|:.:.|
´;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`ー、:.:.:.:|―‐〈_、;;;r 、`ーr'`ヽ:.:.:lヽ:.|




                    /               }  -┬-ミ
   ___厂`丶      /          ___ {_/  |   `丶
  く___..................\   /        -‐ァく_  }      ノ     \
     \................ \ /      /  /    \}___/           )
 く ̄ ̄ ̄ ̄`丶.........{_     /   /          `丶     く ̄
.   \厂\..............\.............\/   /         |   |    \   \    「ごめんなさい。
       └-ミ..........}...............|  /     { l  |    ハ    \   }
         }.....{_............| {     {_」L/\  /rぅ|丿 {   } /     本当はあなたを殺したくはないの」
          〈................}.......∧{__      {.斗ぅ爪^}/ リ V / 乂__-‐
           ̄\.く..........}    }   {乂_.ツ ノ′  ' }|
                └-ヘ.丿  /      <⌒    ,ァ  .ノ
              厂 ̄  /            `丶   人
             r--┘ 〈_,/   {  ‐--‐く ̄`丶ノニ爪(⌒
           ノ  __丿人    {   ___.ノ   \/
        く___/        \ 〈\く         ゚。
             ̄`丶--‐  }丿  )       |
                        〈         丿、
                      ノ\__    __/┐ |
                   └-ヘ.__r-冖-ヘ._/ 丿

277  名前:◆NBJATnhEhM[] 投稿日:2021/02/27(Sat) 11:17:55 ID:33e620ff

                             _,,,,,,,,,,,,,___
                             _,,.-‐'''´      ̄`ー,-.,,__
                         ,r''´  ,, ''  ,r'      `  `ヽ、
                     . ,r''´ ,, ''   ,,r'´,. '  ,, '   ,     `ヽ
                     ,r'フ ,, ''   ..:;;r''..:; ',  ., '' , '  .;
                   ,r',r'’,,.'', '.:..::,r'7"..;: ', ' ..,::' ..;:'    ;';..
                  ,f /., ''., ' , ' ,r',r'’.:;:'.,.' .::..;:'  .:;:'   .: ;: ;::.
                ,/,イ,/ ,,/ .,f /..:::;/,/ ..:::;:'  .::; ..:   ..:::;: :;:::.   :.
                    レ/,i' ,イ ./ /.::;;イ:;i'.::::::;i ..::::;'..::   .:::;: .:;::::. :..  ::.
                    レ レ/ / /.::///i.::::::;i .,'.::::;:'.::;'::  ..::::;: .::;::::: :::::.. ::      「だが、お前は確実に私を殺す」
                   i / ./.:/// ,!::::;i' ,.'.::::;'.:::;'::::  .::::;:. .::;:::::..::::::::::
                 _,ノ レ' f/ ,i`、;ii ,i.:::::;'.:::;i::::::. .::::::;:. .:::;::::::::::::::;::
             ┌-‐''´     `ーi、:;/i;/!:::::;i::::;i::::::::. ..:::;:;::..:::::;:::::::::::::;::
                 i        .、/ ヽレ !、::;!l:::;!l::::::::..:::::;:;:::::::::;:::::::::::::;:::
                  ヽ        `、/`、 !:`!:i:::!:i;i;:::::::.:::;:;:::::::::::;::::::::::::;:::
                  fヽ        `ー‐ヽ v`:!:l::l:::'i:::::::::;:;::::::::::::;::::::::::;::::
              ,! ヽ           !::i;!::l:::::ヽ::::::;:;::::::::::::;::::::::;:::::
                i              l :::::::!:::ヾir'、::;:;':;:::::::::;:::::;:::::;:'
             ,!                i :::::::l ::::::l´k ヽ:::'i::::::::;::;:::;:':::
              i                 l :::::::! ::::::iノ ,/::::f:`:、:::::;:'::i::::
                 `ヽ、           l ::::::;! ::::::i_,/::i:::::i;:::::::Y::::::;!:::
                     ̄i'''‐-._   --‐‐'´l ::::::i ::::::i:::;::::!::::f:、:::::i:::::;i:::::
                     l::::::;::::ヽ      ! ::::;! :: .:l:::;::::i::::i::::`:、i:;/:i:::::
                   !::::;::::::::.i     l :: ,i  :: .:i:::;:::::i:::ヽ:::::::i:::::i:::::



             _
           /,イ         ____
            ,.イ://::{     ,.   ´      、
         /:/{//:::::| _,.. - ´           `ヽ、
          /://:\:::::|'                   \
.         /://:::::::::\{        ____         \
       /://:::::::::\:::ヽ、{ ̄\ ̄∨ ̄\::/ ⌒\_,       ヽ
       /://::__,_ ´ ̄\\_/:、: :\__/ ̄`ヽ、/=ミ__   〉      「ごめんなさい」
     /´   〈 `ヽ、_/: ,|-/ ', : |、:,ム斗:l : : : |\__〈 ̄` <
           /ヽ  /: /:/:l|: l  |:|:|,ィt≠ォァ : : : |:、: : : :\   〉
          \ ∨: :{: |: :lィ=ミ、}从 弋ヒソ/}: : : ,'^∨:、: : :{\/ヽ
            }/:/: 从、: ムVj        /: : :/、_ノ:}: :\:∨_>'
               /:イ: /: /}/叭 '  _    ,': : :/|:ー': :|: : :|:ヽ} 、
           {:/: /: /:/:从ム、 ` `  /: : / l| : : / : : |:/ニニ\
             {: /イ}/   }/ ≧=-く{: :./-;/ : イ/}: :/}二∧二\
              /:イ       /rミ≧「∧∧:{ //勹ー:/イニ// ∨ニニ\
                 ,.ィ^}_/:/}::::/ヽリ ///_乂⌒}/////マニ二 ム
                    / ,'イ//::「 }/} ∨イ_乂     ∨////}二二 }
              _/   / /::::/:::::|/ イ }/       \// |二二/
                「´   {∧::/:::::/}    |          \/ニ二/
                }    | { `\:':::|    |           〉二/
              /_\、  / _ー=\|   /             /二/
              /{イ/\,' <o_,>   〈   、   _/ / ,'ニ/
               / 〈イ_〈 <o_,>    >=介==== < / イ

278  名前:◆NBJATnhEhM[] 投稿日:2021/02/27(Sat) 11:17:55 ID:33e620ff


                      . . : : ´: : : : : : : : : : -
                     /: : : : : : : : : : : : : : : : : : :`:.
                      /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :\
                  /: : : : : : :/: : : ; : : : : : : : : :_: : : : : : : \
                   /: : : : : : :/ : : /: : ; : /: : : :./ミヽ/:ヽ: : : : ヽ
               ∥: : : : : :7!i : : |!: : |: :|: : : ∥ `´~ヾ! : :、 : :.
               ∥: : : : : : l:|:!: : :!|: : |: :!l: : :l:!       |:|: : } : ハ
               ':!: : : : : : :l: |!',: :|:! ̄!:T-- l- '    |:l: :メ: : トl
                  l:l: 、一 =l: : : ゞー芹示ミヽ! |   /ー-/ |l::/ }
               |:|: : ヽヘ(`l : : : : |  乂rソ       !示ヽl |l; ノ   「私はここから逃げられないのだろうか?」
                 |:| : : : :\ l : : : : |          ゞ' /:!
                  |:l: : : : : : :.l : : : : |            / /: :|
              l:l: : : : : : : | : : : : !            / : :l
                , | : : : : : : |: : : : : ト      -=,ァ  , : : : :.!
              ; :| : : : : : : |: : : :|: :| >      /|: : : : :|
               i: | : : : : : : |i: : : :l: :|    `  -: : : :|: : : : :|
             l: :!: : : : : : |l:l: : : :乂ヽ-…-/ : | ,,_ : | : : : |
               l: :|: : : : : :l !l:ゝ -彡イニニニニニニヽ.: :.:|
            l: :i: : : : : :j | ゝ= '/ニニニニニニニニム: : :|
              l: :l: : : : : jニ|ニニ/ニニニニニニニニニ=-: :|
             ,': :l : : : : 7ニ乂シニニニニニニニニニニ=-:|
             /: /: : : : /ニニニニニニニニニニニニニニハ
          / :/: : : : /ニニニニニニニニニニニニニニニ!



         _____
、    ,...  ´            `ヽ、
:::\ /´                     ヽ
:::::::::\__     _    __    :.
::::::::::::::}/==}_ / ̄ \  / ̄ ̄ ̄\=}
:::::::::/ / \_   ! 〈    _,.-/  ̄ \
::::::/  /___∨:\|_> ̄: : :∨\  /        「あなたはもう神殿から出ることはできません。
:::/、- ': :/: :|: : : |: /、: / /: /: :,.イ: :;: : |∨ ̄}
、_/: : ': ::::|: : :下≧ミ、_, ': :,ィ斥ミ: /: : |: }_/           神殿の警戒は厳しく、壁は高い物と知りなさい。
  /: :/: : : :|: : : {瓧)ソ //瓧ソ/:イ : /: /
 ,': :/: : : : :!: : : |     ´  ,   ムイ}::/           神殿から出る時は処刑場に向かう時、すなわち死ぬ時です。
 { イ: : : : 八 : 从 、   っ   イ: /: :∨
  八: 、: : : ∧: : } >r-=≦; :/:/}: :}、|              あなたは私に殺される以外、道はありません」
   \}、:/ ̄从l \ {\}:_/:/:イ j: / }
    〈∨乂\   \   }ト、__,/イ
     /   `乂_、   \ |!〈-〈       _
   ,:       乂\  /_)、 }乂       「7_\
  _ {       ヽ乂∨ (_) ヽ/}_    r-ミヽ` }
  }:\r-、,.- ァ   }  }'      ∨:}    `7 ` /
  |:::/^\:::{_、  /          }イ  「::Y、__ ,:'
  <{_/_、⌒>        |  /{、:::Y/:ァ
   /::|    ,、_   r==;  = ∧ ´   /}/イ
___{::::::{    {:::::::::::::::::::::::::::::::::,::_」  /
::::::::::\:|    |、::::::::::::::::::::::::::::::{  . '
::::::::::::::::,   {   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄「ー ´
:::::::::::::::l     |          \

279  名前:◆NBJATnhEhM[] 投稿日:2021/02/27(Sat) 11:17:55 ID:33e620ff


                      . . : : ´: : : : : : : : : : -
                     /: : : : : : : : : : : : : : : : : : :`:.
                      /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :\
                  /: : : : : : :/: : : ; : : : : : : : : :_: : : : : : : \
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               ∥: : : : : :7!i : : |!: : |: :|: : : ∥ `´~ヾ! : :、 : :.
               ∥: : : : : : l:|:!: : :!|: : |: :!l: : :l:!       |:|: : } : ハ
               ':!: : : : : : :l: |!',: :|:! ̄!:T-- l- '    |:l: :メ: : トl
                  l:l: 、一 =l: : : ゞー芹示ミヽ! |   /ー-/ |l::/ }
               |:|: : ヽヘ(`l : : : : |  乂rソ       !示ヽl |l; ノ     「……」
                 |:| : : : :\ l : : : : |          ゞ' /:!
                  |:l: : : : : : :.l : : : : |            / /: :|
              l:l: : : : : : : | : : : : !            / : :l
                , | : : : : : : |: : : : : ト      -=,ァ  , : : : :.!
              ; :| : : : : : : |: : : :|: :| >      /|: : : : :|
               i: | : : : : : : |i: : : :l: :|    `  -: : : :|: : : : :|
             l: :!: : : : : : |l:l: : : :乂ヽ-…-/ : | ,,_ : | : : : |
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         /   |   {   \       ' 厶イ|.
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         人 {  } 丿 )'′ _,〕ニ爪 V )ヘ.丿
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               |    く_r (0)ヘ._」/      〈

280  名前:◆NBJATnhEhM[] 投稿日:2021/02/27(Sat) 11:17:55 ID:33e620ff


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                      / >il\__/li<∧
                  /;:;:/\!   l  i/V∧          「出ていってくれないか?」
                 〈;:;:;:;ヽ! iヽ.ニ .イ l;:;/;:;:;:〉
                   入;:;:;∧  ̄ ̄ i . /;:;:;:人
                   ,...< : : \;∧ {示} i /; ;/: :>.、
             /:.:. :: :: :: :: :: : ̄! 比l i/ ̄: :: :: :: :: : \
             /: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :ヽV /'´.: :: :: :: :: :: :: :: :\
              V: :: :: :: :: :: :: :: :: :: : ,zテミx : : :: :: :: :: :: :: :: :: :/
              V: :: :: :: :: :: :: :: :: : {l{   }l}: :: :: :: :: :: :: :: :: :/
             V.: :: :: :: :: :: :: :: :: :ゞ三ツ: :: :: :: :: : : :: : : /
              〉.: :: :: :: :: :: :: :: :: :/云V : :: :: :: :: :: :: :: :〈
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   /:.V:.:.:.:.:.:ヽ,. -‐ ''''"´ `  - 、
  __V:.:.\:.:.:.:.:.:l   __    `ヽ
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 ヽ:.:.:.} ̄ヽ_ノ: :./: : : {ィュ-、`l: :.!: : |: : :ト、ー,         「分かりました」
   /__/: :/: : {: : {:ム弋)ソ` ヽ}__:リ: : : : l、/_
   ヽ_/: :イ: : : :、: ム、      、 fj,:'イ: : :.ト, /
   ,/: イ:.{: : : : :`ト: :\  -  /:/:イ: / リ´
    {:/}: :/l:ヽ、: : :|  ̄ ヽ _ , イ:イ/:/
   {' リイl:,.、-' ヾ:j\ 、 |-、: :{: :l: :{
     }人フ、\    \  | Vフ`ヾ!
     / .`}ニ\\  / >'-、 lトフ、
    ;'   ヾ、_\`´ / o \!ヒ}\
    /      `ヒフ´         ',  ,}     _
    !        l     o   l ,/    ,..:.:.ヽ_
   ヽ __,.-、  ,イ        , {、 _,r-:.:.:.:.:.:.:.:.:.{
     }:.{}:.:{77} !_    /  / >:.:.:.:./:.:.:.:.:.:., - ´  ̄`ヽ、_,..ィ
    /ヒ人フ{>_ヽ }:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ソァ ̄ ̄ ̄´          /
      |   | ヒフ/ オ、ー 、ォァ、ゝ/
      |   | / `ー ' `¨´ー' ´

281  名前:◆NBJATnhEhM[] 投稿日:2021/02/27(Sat) 11:17:55 ID:33e620ff



  そのようにして一回目の面会は終わった。
  
  短い間だったが、私は疲弊した。
  
  私は月を見上げて祈りを捧げた。
  
  だが何を願っているのかは自分にも分からなかった。




                                   '. ,、
                                 '.,` 、
                                  '., ヽ
                                      ',  ヽ
                                       ',,;;;;;;; '.,
                                         ',.:.:.... ',
                                      ;;;;;,,::.:.: ',
                                      ;,.:.:.:..:.. ;
                                      ;;;;;;;;;;:.:.:..}
                                    ,';;;:::...  ;
                                     ,'.:::.. .:  ,'
             、                      ,.',;   :.   ,'
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282  名前:◆NBJATnhEhM[] 投稿日:2021/02/27(Sat) 11:17:55 ID:33e620ff
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283  名前:◆NBJATnhEhM[] 投稿日:2021/02/27(Sat) 11:17:55 ID:33e620ff



  私は最果ての村に使いを出し、女の夫を連れてくるよう命じた。
  
  女に対して出来る限りのことはしたかったからだ。
  
  しかし一回目の面会が終わってから三日の間は、私は怖くて彼女の牢を訪ねる気が起きなかった。
  
  私は妙に気まずい思いがして、アサクラをも避けた。
  
  だがある時、アサクラが私の部屋を訪ねてきて言った。
  
  「このままでいいんですか?」



                                                                 /
~、、                            γ´ ̄ ̄ ̄ ̄`丶                          /
  ``~、、                        ゝ   __,.  '′                        /  /
ニ=- __   `′ .,_                                                 /  //
__   ⌒ニ=-  _ ``~、、                                             /  //
| |丁T=-     ⌒ニ=- _丶、                                        /  //
| | | | | |:|:| 「丁T=- , _   |  ``ii─┬ ______________________/  //
二..,,_ー-: | |:|:|:|::|::|::「丁:|::|    ||   | |`i¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨|  //
| |::|::|丁ニ| |==-⊥L_|: |::| ̄~^"||─ | |_:|_____r‐ーー┐__rーー‐┐____________|//
|_|::|::|::|::|::| | | | | | | | |:「|::| ̄~^"||¨¨ | |‐|‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐|:| ̄ ̄|:|--|:| ̄ ̄|:|‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐イ
「「 丁iTT| |¬====ー|::|   _||_  | | :|          |:|====|:|  |:|====|:|     | ̄ ̄ ̄|   |
| | | | | |:|:| | | | | | | |::|:|:|::|T丁「| |~| | | :|          |:|__|:|  |:|__|:|     |      |   |
=====i| |=== = |::|_|_|_|_|_|」| | | :|     _    |:| ̄ ̄|:|  |:| ̄ ̄|:|     |___|   |
| |:| |::|::|::|| | | | | |::| :|:_」|::|| ̄「「 ̄| |_|_,|_   / 〉   |:|__|:|  |:|__|:|            |
|_|」⊥ニ- | |-‐_,.二ニ¬|::| ̄ ̄ ̄ ̄_,. -‐¬〈__/    ̄ ̄ ̄   ̄ ̄ ̄   _,. -‐……‐-  .,_ |
-┬¬Ti「| 「「|: | | |:| |::|:|::|ニニニニTi「ニ=-ーT「 //   __| ̄|____   |.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: | |
|:|:|:|:|:|:|:|::| |_|」⊥-_,.二┤| ̄ ̄l¨| |  | |二二| |    | ̄ ̄ | ̄ ̄ | ̄ ̄| |: /─| ̄ ̄ ̄ ̄|ー┴\
-┴_ ,二┤ |iT丁|::|::|:,,|」|::|    |-| |  | |_||_.| |    |── |── |──| |/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  \
T「|i:| |:|:| | |_」⊥-_二┬|::|    |‐| | ̄|_| ̄ ̄|_| ̄ ̄|___|___|__|/                \
|_|」⊥┴::| |┬T「| | |_|Li::|__|-|_|: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : .:.:/                  \
_┬T「:|:|::| |:|_|」 ┴¨_ ‐二: : : : : : : : : : : : . .               /______________\
:|::|::|::|_|」┘ ¨_ ‐二: : : : : : : : : : : : : . .                  |                      |
」┘¨ _ -二: : : : : : : : : : : : . . .                          |                      |
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284  名前:◆NBJATnhEhM[] 投稿日:2021/02/27(Sat) 11:17:55 ID:33e620ff



 /     /  〃/   イ f``ヾー "´´ | |   l |   │    !
ヽ|   l   |   | !|    :| |        | |   l |   │   ! !
ヽ|   l   |   | !|    :| |        | |   l |   │   ! |
ヽ|   l   |   | !   | |_      、__| |   :j ! |    |   |i| |
!∧  l   l   _jzム≦た!ニf'"    ヾにj≧kムj、|     j   リ| |     「初めてのご友人なのでしょう?
li '、  !  ヽ'" | j \  l {        / /  /丁7    /   / | |
|:  ハ ヽ__ト、ィ''チ示アミー       フイ''テ圷、/   :/  ,' / j/     出来る限り顔を合わせなくては後悔するかもしれませんよ」
|:  { l`、_,,ム<{イ f::::`イ}         { f:::::`イハ>┬='_/ノ
l   ヽl    ! V^tzc'         V^tzc'  /!¨´  「
| l   l     l  ゝ=='-            ゝ=='´ / i     |
| |   |     |!           !          / !     |
| |   | i   ハ、        '        /  i.    |
| |   | i    !ゝ、      cっ       ,. イ  i    |
| |   | l    ',   i> 、       , ィ<1/  /     i|
| |   | ∧.   ∨ i|.  > 、 __,. < l //  /     i|
| |i  ヽ ヽ    Vi|             | {/   /     八




                    /               }  -┬-ミ
   ___厂`丶      /          ___ {_/  |   `丶
  く___..................\   /        -‐ァく_  }      ノ     \
     \................ \ /      /  /    \}___/           )
 く ̄ ̄ ̄ ̄`丶.........{_     /   /          `丶     く ̄
.   \厂\..............\.............\/   /         |   |    \   \    「アサクラは怒ってないの?」
       └-ミ..........}...............|  /     { l  |    ハ    \   }
         }.....{_............| {     {_」L/\  /rぅ|丿 {   } /
          〈................}.......∧{__      {.斗ぅ爪^}/ リ V / 乂__-‐
           ̄\.く..........}    }   {乂_.ツ ノ′  ' }|
                └-ヘ.丿  /      <⌒    ,ァ  .ノ
              厂 ̄  /            `丶   人
             r--┘ 〈_,/   {  ‐--‐く ̄`丶ノニ爪(⌒
           ノ  __丿人    {   ___.ノ   \/
        く___/        \ 〈\く         ゚。
             ̄`丶--‐  }丿  )       |
                        〈         丿、
                      ノ\__    __/┐ |
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285  名前:◆NBJATnhEhM[] 投稿日:2021/02/27(Sat) 11:17:55 ID:33e620ff


                .、  ,ィ: :、
              ィ´: : :.マフ: : : : \:、
          r=彡": i: : : ヘ ,:ヘ: : :i: : :`=ミ:、
         /: : : : : :.:|:i:.:∧::v:::::!: i:|: : : : : : ‘,
        /: : : :i: : : :|:l: ト-‐'…}i:.l:|: : : i: : :. :.',
        /イ: : i: |: : :!:|:l: |     .::!从: : :.|: : : : :.:.
       {〃: : ハ:|: i: !斗=ァ   ャ≡ミ: :イ: : : :.:.i
       ハィ: :i::l:|:才√ヾ_     ハノ__ }`ハ: : :i :r       「何をですか?」
        リ: :|:ハ:{´,ィチ芋    :笊ミ:く}: : ;ィヘ.
        √ヘハ:i `乂tリ       弋tソ"レ:': :.!: ト.
        /: : イ: :圦       j       .′:.:.|:.:ハ
       .:イハ∧: : ヾ:、     _ __,   〃: : :ハ/:.∧
       {/Y7: ヽ: : :マi丶   ー    /}/: :/: 〃: : :.
       〃/: : : :.入_:ゝ: :}` .__ . イ: :〃イ.:.:./: :i:. :.:.、
      / /: : : : /: : : :Y彡     トミ「: :. :./: : :|:.:ト、:ヽ
       v⌒ヾ>{: : : : :.|            |: : : イ才r⌒Y}:
      ′   v!:.:. :_:_:|   :.         |:/: : { Y´ ヾ ゞ、:





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.... //..........\              /      丿
...//................. \        / ̄ ̄\    / \
..{{...................._rく二ニ-‐ '   /     __厂 ̄      |
‐----‐ァ'       }    |____/ .斗ぅ爪    |    「私が異教の女と親交を結んだことを、よ」
‐┐  /___     }.斗‐‐‐┘    /V..ソ } 丿   ノ
. └-┘   \__/´.斗ぅ爪「\   /   厶イ  /
      |    l  く 乂...ツ   \{  、  { V
      人    |    乂____         人丿‐-ミ
)ヘ、 /   )ヘ. |      <⌒    r ア /_r┘     \
  /     ∨ ‐-ミ   \  . ____/ く  〕      ∨ ̄〕
. |             `丶   }‐-v′ r┘{         |__r'′
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286  名前:◆NBJATnhEhM[] 投稿日:2021/02/27(Sat) 11:17:55 ID:33e620ff

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            ./:.:.:,、-'´:.:.:.:.:.:.:.:.:ヘ:.:.:>'"`:.、
          ,/:.:/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:;':.:.:.:.:/::.i/:.:.:.:.:.:.:.:.:\
.          ∧∨:./:.:.:./:.:.:;':.:.:.:.:∧ヘ/i:.:.i.:.:.:.i:.:.:.ヽ     「怒っておりません。
       ∧:.|!:.:.!:.:.:.:.!:.:.:.!:.:.:.:.:!´`'"´`i:.:.l:.:.:.:l:.:.:.:';'.,
         }:.::.|i:.:.|:.:.:.:.|i≦廴リi:|    |:.:リ:.:.:.|:.:i:.:.!:.i     我々の教えが、そうしたことを禁じているのは事実です。
.         {:.:.:.:|:|:.:|:.:.:升i:.:.!i:.:.ハj    辻≧:/:./:.:.i:.:!
.         lヘ/ヘハ、:|≦斤乍     /廴レリノ//:ハリ.    禁じているというよりも、他の神の存在を一切認めない、
      ,'i:.ヘ(|:.:.:.:.:.:| `弋少     升仆ヘ/:/.:ノ
..     ,':i:.:.:.:l|:|:.:.:.:.:|         ゞ少 /ソノ.         と言った方が正しいでしょうか。
     ,':.:|:.:.:.:l!:l:.:.:.:.:.l     __  ′  /:.l: |
     /:.:.:!:.:.:.:.!:l!:.:.:.:!:!、   ヽ ノ   /:.:.|i.:|.         けれども、何にせよあなた様はまだ成長の過程にあるのです。
     /:.:./|:.:.:.:.:!:.i!ヘ:.|i| \      <:.:.//:|
    /:.:/:.:|:.:.:.:.:.:.:i:.:.ヘ   ` ー <|:.リ:|:.:.://i:.|        様々なことに触れた方がよろしいでしょう。
 ..< ̄`ヾハ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヘ      ト、ヽ∨|:.//:.:!.:|
/´  ヽ : : ∧:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヾ、_,、-"¨'ーヘ_i:.|/':.:.:.:.':|_        それに……」
    ..i、: : ::ヘ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:\_,、-"゙ー、,∨:.:.:.:.:.:.:.!i`ト、
.     ! ',: : :::ヘ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヘ: : : : : : :i:.:.:.:.:.:.:.:.:|: i ヘ
       i ',: : ::::ヘ:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ヘ: : : : : :|::.:.:.:.:.:.:.:.|:.i ヽ



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     \___{__/\_/:}: : :}: : : ト'、_.∨/////// / /////
          /:/: :,: :|: :|: :__/_: :イ: : :/}_}: :∨///// / /////       「それに?」
.         /:/:,: /: :|: :|イム㍉Ⅵ:/,ィム㍉ヽ:∨/// / /////
       {: {: |:{: |: : ム込ム /   込リ }:/:∨ ,' /////, '
          ヽ从:ヽ:,: : ム       '      7}/:.∨ /////
         ヽ}: : \:込、   vっ   ィ:/イ: :ハ \/
           ヽ从リ: |: : > _ . </{':从/
              ヽ,-、 ノ    |ィヽ、
         r_7ヽ''  ̄`ヽ \   Y   `ーrイ
          {/  )ム      \  /     |!∧
       〈,{  ヽ、\         ∨__    // 〉',__
         |    } \{}__,.. イ / ̄}_{i// / ∨//≧ 、__   __
         /     ` r 、__ィー-'{///}、__ ∨ )   \ ̄\///////////
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  ,.イ//ィ/         ヽ   ,イ////\  |  __  /ィ     ` 丶、
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287  名前:◆NBJATnhEhM[] 投稿日:2021/02/27(Sat) 11:17:55 ID:33e620ff

                                __
                          ____/.::::.`ヽ、
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                  /.::::::/.::::::::::::::::`\{:::::::::::::.\:::::::::::::::.`丶、
               /.:::::::::/.::::::::::::::::::::::::::.\ト、::::::::::.\::::::::.、::::::::.ヽ
                _/.:::::::::/.:::::::::::/.::::::::::〃ミメ/ヘ、::::::::.\:::::.\:::::ハ
            〈:::::::::::::'::::i:::::::::{:::::::::::::|::「``′  ヽ、:::::::::.ヽ、::::ル′
            {::\::::::i:::::|:::::::::{:::{:::::::_|::|    /-}‐ヽ:::::::i} }/     「私もまたあなたと友達でいたいと思っているのですよ、
            ∧:::::.\i:::::|:::::::::{::::X:::_」ニゝ   , x=ミ}:i:::::リ,
            {:::.\::::::',::::l::::::::::V:X,≧ゝ      爪,i{刈:::/∧     レミリア様。 友人の友人は、我が友です。
.              ヽ::::::.\:.ヽ:::.\/:ィ:爪_j`       ヒ::リ ル'.::::::::.
             }\:::::::Y|:::ー-ゝj{:::し:rヘ      、`゚^ |:!:::::::::::.    ですから我々は彼女を丁重に扱います」
.               }::::::`ト:{ヘ::::::::::::. `ヾrジ       ,   从::::::::i }
              /|:::l::八:.ヽ._、::::::::::.、      ー  ´  イ:':ハ::::八
           /.::|:::l:::::::.\:::::.\::::::.\        〃:l:/}::::}∧:. ヽ
             / .:::|:::l:::::::::::::.\:::::.\::::::.\.  __ イ'.::::|' 川j' !::.
            / .::::::|:::l::::::::::::::::::..\::::..`=‐-=ミ_」:_彡'.:::::ノイ::从 |:::i
       /..:::::::::::::|:::l::::::::::::::|::::::::::.ヽ::::::,二ニ=-‐‐=ミく ノ::/ } 川
       /..:::::::::::::/.::川::::::::::::::|:::::::::::::::|::::|/: :/      ヽ::..ー-=彡'ノ




                       ///ハ/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄`ー- 、
                      j//>'" ̄ ̄\   / ̄`丶 \
                    _」/厶ャ=¬ミ    ̄〕      \`、
                     厂Ⅵ{///   \  〈/⌒丶、   い
                      {//)八/       └-=彡    \_  人\
                    ,≫'⌒〉    ⌒ヽ         |⌒> 〈  〉
                / __」    ∧从    ⌒ヽ  乂   ∨
                   j///     〃ぅk     /}/  |    `ト {        「ありがとう」
                \V   从 \Vツ \/ テぅkリ /  j//冫
                   /  イ  〈⌒''''      ∨ツj /   ∨く
                 И 从 八   r=ー 、 '''' 仏/   \〉
                   |/ ∨/⌒Zゝ ノ  イj从∧/\(⌒
                         r/   ク>'" ̄  八 \_
                    /乂_/〈 rく\ /   ⌒\
                       rく/   〔  イf゙ヽ   Ⅵ   /⌒Vハ
                    ノ >-=チ 八    ケT爪     Ⅵ
                      | /  / / 〈>-=彡ヘ 小  〈 リ    _____
          }\__     / /  / 人_辷___/∨〈   〈|____//⌒V人
           //////>--彳/  / /C=|=Cヘ 〈   ∨〉   V////    \j≫ー―‐┐
        ///////⌒∨ ,  / /  j|   ∨ 〈   \〉   ( ̄        \/////|
       /////jア´     ∨  /  j C=|=C  ∨ 〈    ⌒  〉           `ア///|

288  名前:◆NBJATnhEhM[] 投稿日:2021/02/27(Sat) 11:17:55 ID:33e620ff


                ___  ,......-- 、
      ___     /´            `ヽ、
      /:.//:.:`ヽ、/´                  ` 、
     {:.:.{_{:.:.:.:.:.:.:.:`ヽ、                    \
       }:.:.//:.:.:.:.:.:.:.:/´`ヽ、_ _____,ィ´`ヽ、  \     }
    ..//-´:./ ̄/____ l ̄ ̄ ̄´| ____\ ̄ー-、  /__
.     l l:.:/    { /: : : : :l/       l{: : : :\` }    ヽ、  \
      ..、´`ヽ、   V: : : : : : : {_____,ノ: : : : : : V__, ――冫    \
.      :>、{  `ーl': : : : : : l: : l: : : : l: : : : :\:_:_:_:_:ヽ、: : : :\/   __ヽ   「私もあなたのことが好きよ、アサクラ」
         ヽ  /|: : :,: : :,-l―l、-,: : \: :、イ: ヽ: :-: : : ゝ: : : :lー-'    /
          l / ||: : :l,: : l: |: : :ハ: ヽ: : :ヽ、\ 、: :ヽ: :\: : : :.,:|  __,/
.           l/ リ: : :ヽ: :゙、: ィ示i心 リ`\ィ示心ミ: :l`: \: : :.!/
         `ヽl_!:l: : : \: 、弋z(ソ    弋z(ソ/: イ: : }: : :ハ: ,
           リ!ハ: : ,: ト,: :\_    '     彡': /: : /: : :} 、ゝ
           / ,r ヽ: :l: },: } _ `ヽ` ´  ,. ィ: :/: ,イ: : :/
           /   }: :/l:/ノ:,-ゝ-`- <!__,l: イ:/ l:.!: :/
             /‐- 、 l:/-=´-' \l     .|/ `ヽ--,--ァ_
             //////}ォ-l:.l    `ヽ、__/ヽ    l:.|_ノ_ ヽ、
         /-、//// }_ソl:.:,   /:.////}、ヽ   l:.!__ノ   `ヽ、
           /  `ヽ/ 人,∧:.、  /:.//:.、/ソ:.`ヽ、 //_ソ      ヽ
          ,'    ,'   }ソ_、:.V:.//:.:.:l:.:.:l:.:./´\/_ノ,       /




.          /.::::/.::::::::::::::::::::`ヽ:::::>‐-ミ
           /.::::/.::::::::::::::/.::::::::::/::∨.:::::::::::::.\
.         ,:〈::::/.:::::::::::::::::/.::::::::::∧∨:ハ::i:::::::::::::.ヽ
.       ∧::∨〃.::::::::::::'::::::::::::/``ヾ'<|::l::::::::::}i:::ハ
      〈::::::::!|::l:::::{::::::::_{::」:|L/      |::l:::::::::八:::::::.
        〈::::::::l:|::|::::」≠-r{‐‐l: ト、    ,::」|::::::/.::/.::::::|       「ありがとうございます」
      i:';:::::」{::|:::::|::{ x≦=ミ      7フTヽ:':::/.:::::;リ
      |:.∨ lヽl‐-l:〃ん.::i| `      ァミ刈∨.::::/
      |::::.ヽ|:::::::::::::i 込rリ      ん.:;リ 》厶イ
      .:|:::::::::|:::::::::::::|  , ,       ,  ヒrシ' ー=彡'
      ,:::|:::::::::l::::l::::::::|       __    , , /.::::::|
.     /.:::|::::::::八:l:::::N 、     、_ ノ    ,.:::::::::l:|
    /.:::/|::::::::::::::ヽト{  丶.         イ:l:::::::川
.   /.:::/_:|::::::::::.ヽ:::|::::.     ` r=≦:::ハ|::l::::/:::::|
 xく ̄ヽ:八::::::::::::::.\:::..、    _ト、 ∨.:::N:/.:::::::|
'   \: : :ヽヽ:::::::::::::::.\::、__/, ==\';:::jイ::::::::i:|__
.    ヽ: : :\ヽ:::::::::::::::.\ //⌒ヽ刈ノ ::::::::|:|: :ト、

289  名前:◆NBJATnhEhM[] 投稿日:2021/02/27(Sat) 11:17:55 ID:33e620ff



  私はアサクラに大分勇気づけられた。
  
  両腕のない女は私のことを赦さないかもしれない。
  
  しかしそうだとしても、少なくとも私には誠意を示す義務があるはずだ。
  
  事が終わってから後悔しないように、出来る限りのことをしよう。
  
  私は覚悟を決めて女のもとを訪ねた。
  
  今度は神官たちも一緒だった。



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290  名前:◆NBJATnhEhM[] 投稿日:2021/02/27(Sat) 11:17:55 ID:33e620ff



  私は女を牢から出し、共に神殿の庭を散歩した。
  
  女は歩いている間、一言も口を利かなかった。
  
  季節は春だった。
  
  風が吹き、樹々の花が散って宙に舞った。
  
  いずれやってくるであろう、その日のことを考えると私は憂鬱になった。
  
  それで私の思いは自然と過去へ向かった。



                                      (ヾ; ;ヾ:;゙;;ゞミ"ヾ;;;;; ゞ゛;ゞ:.; ;ヾ ;:;::;ゞヾヽ;;;:ヽヽ;;::
                            _          ゞ:;::;ヾヾ.: ;ミ;;ヾ ;:;::;ヾゞヾ.,;;;ゞヾゞ;ゞヾ;ゞゞ;ゞ⌒
                                        ヾ ;";ヾ; ;ゞ;;":::;;ゞ;;;゙。ゞヾゝヾ ; ; ヾ ;ゞ ゚ゞ;ゞ
                    ´                   ゞゞ;;ゞヽヾ:;::;;;ゝヾ;;::゚;;\:ヾヾ:;::;ゝ";;ゝ;;::ゞゞ
                                            ゝ.;;:.:";;ソ;;ゞ;;;ヽヾヾ::ミミ;;ゞゝ;;゙ゝ;;ヾ'';;
.      '                                          ゞヾヽ;;ィソ;;::ヾヽ゚;;ヽ::ゞ;;ゝ
,   ´                                   ー'             `ミ;;ソ::ゞヾ:::ゞ;;ゝ,)::
                                                         }::i!:
                                                   ,.:ヽヾヾ;ヾミミ;;:'ヽ;;゚ヾヾ
                     ´   `                    ..:.;ツヾヽ:;::;;;ゝ;ミヽ::ヽ:;::ヽ;::ヽ;;
                   ´         ` .   . .       、 ッ;;ヽ::;";;ゞ::'ゝヾ丶(;; :;:::ヽゝ;;';
               ´              .        .   ,,ィソ;;ゝ;;ヾ::ヽゝ;;';ヾ⌒;;:ゞヾゝヾヾ;;⌒
                         , '           ,:.。ゞ;;ヾヽミ::; ヽ "ヽ⌒:; ;ヽ::.;ヽ;;ゝヾ;;:;:: ;;
      ´                    .         ソ;; ::" "ゞ; ; ; ゞ゛;::ゞ:ゞ::";;;ゞ::ヽゞ;;\ ゝ;
                         ´   `    ン;;ミヽ.;ヽ;;ゝヾ;;:;:: ;;ヽゝ;;ヽ::.;ヽ;;ゝヾ;;:;:: ;;ヽ..:::ii
     ,        ´         ´   ,.;く";; ゝヾ;;::;::;;"へ;;;;⌒;;"ミ⌒::ヾゝゝ:; ;;".:.:ゝヾ;; ;::;;ゞヾ:|;;
    /ノ                     ,,.;,ゞゝソ;; ::".."ミ;;:'ヽ;;゚ヾ⌒::;; :::;::ゞ; ; ; :;\;;゚::;;ゞヾ::";; ; `;ゝ i|ヾ
   ..´                      ゞ;;;゙。ゞヾゝヾ ; ; ヾ ;ゞ ゚ゞ;ゞ :;::ヽゝ;;ヽ::;ゝ::;;ゞヾ:ゞゝ;;ヾヽツ;ヾ.ゞ",::;::
.          -         ,  ,.;.(::"(ヽ;::ヽ;;:;::ヾ;;⌒::.\;;ゞ::ゞ:ゞ;;ゝヾヾ;; ;ゞゝ; `;ゝ;;ヽ::;:;ゝヾヾ;;)ヾ;;; i|;;
                   、  ゞ:ヾヾ.:;ミ;;ヾ ;:;::ヾゞヾ.,;;;ゞヾ;;;ヾ.ヾヽ;;;ヾ; ; :;ヾ.ゞ",:ゞ:.(;;ゝ; ;;;.;;ii:i;;;:;i|
                        ,       ~       ゛ ゛; ゙ィ; ッ ゛゙i゛; ; ゙ィ゛ ゙`==rィ;、ー¨ ̄'=-イ
        、        、            ´                         ゙⌒イ'ィ=≦===、__
                    、   .  ´                              ``'‐- ̄'ー''-r、

291  名前:◆NBJATnhEhM[] 投稿日:2021/02/27(Sat) 11:17:55 ID:33e620ff



  この女と会った時、季節は暑い夏だった。
  
  日射しが照り付けてきて、私は麻の布を体に巻き付けただけの姿で、全身汗みずくだった。
  
  私は何もない場所というものがどんなものか知りたくて、疫病の流行で全滅した村を訪れたのだ。
  
  誰にも黙って置き手紙だけを残し、こっそりと神殿を抜けて私は旅をした。
  
  何日もかかる場所へ一人で旅をするというのは初めてのことだったから、私はかなり緊張した。


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292  名前:◆NBJATnhEhM[] 投稿日:2021/02/27(Sat) 11:17:55 ID:33e620ff



  たどり着いた村はもぬけの殻だった。
  
  人々は一人残らず死に絶え、その体は運び去られた後だった。
  
  数々の家は内部に誰も擁しておらず、ただ空間だけがぽっかりと口を開けて存在していた。
  
  ここが世界の果てなんだな、私にはそんな心地がした。
  
  寂しいとは思わなかった。 というよりも、その場の寂しさが妙に心地よく感じられたと言った方が正確かもしれない。
  
  その心の在り方は、斬首の後に処刑台を立ち去る時の私の心情と似通っていた。



                        ミ               ,、,、
                  ハ    ミミミ  ミ      .:..    .:.:淡爻:,
     ,.,.,.           从ハ    ミミミミ ミミ     .:;';':.   .:淡淡戀ハ
 ^^'㍉'´.:.:.:ミx         从从   ミミミミVミミ ,.,.,.,. ,;;';';';';',, ,:淡淡戀淡
 .:.:.:.:.:シ.:.:.:.:ィzzzzzzzzzzzz/三三ヘzzzzzzzzzュミミミノ.:.:.:_㍉|// ,淡淡l戀l淡 ,;';', .....
-ミ;';';';';';';';'///气///////====ィ/////////∧∨.:.:/xヘ  ̄\Y淡戀鑾鑾淡;';';';',.: .: :..
:;.:,:;ヽ(:;.:,∨//:;.:,:;.:,ヽ´´´`ヽ7777∧///////  ∨</    \_\戀淡゙´``Y⌒ヽ.: .: , - 、
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293  名前:◆NBJATnhEhM[] 投稿日:2021/02/27(Sat) 11:17:55 ID:33e620ff



  命を刈り取った後、民衆の喧騒に背を向けて立ち去る時のあの感じ。
  
  この世の命すべてに責任があるんだ、それも自分一人だけに責任があるんだということを噛みしめる時の、あの気持ち。
  
  そのような心の透明な在り方に、あの村の何もなさは通じるところがあった。
  
  無。 絶対的な無がそこにはあった。
  
  私はそういったことを女に語って聞かせた。
  
  私のことを少しでも知ってもらいたかったからである。
  
  だが女は頑なだった。 彼女は一言も口を利かないまま、その日は終わった。




                          -── ヘ
                      /. : : : : : : : : : :ヽ    
                         /.: : : : : :.j: :.|:.:ナ小}    
                          ,: : : : : _/ |: :|/ ィ八    
                     .: : : : :入`|: :|   .〉    
                      ': : : :.//.:.:>|: :|   f     
                        /.: : :.//.:.:/=|: :|` ー ′  
                    /.: : :./: /ニニニミ>ナ==テ:l|7
                  /.: :./:./ニニ/;;;/ニ/ニ/==/:::リ
                   /.: : /:. :/ニニ〃ニニノ=/==/: :/
              /.: : /: :/:.イニニニニ:/ニニ/==/: :イ
             /.//.:.:イ{;;;;;jニニニニ/==/==イ.: : :|
             /.//:.:.:./.小;;;;ノニニニニニニニニニj: : : |
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    仁ニニレ=====ニニニニニニニニニニニ/.: : : : : : : : : : : ノ
   /ニニニニニニニニニニニニニニニニニニ/ : : : : : : : : : : :./
  ./ニニニニニニニニニニニニニニニニニニ/: : : : : : : : : : : :イ
  /ニニニニニニニニニニニニニニニニニニ/: : : : : : : : : : : : :.ノ
. /ニニニニニニニニニニニニニニニニニニ/: : : : : : : : : : : :/

294  名前:◆NBJATnhEhM[] 投稿日:2021/02/27(Sat) 11:17:55 ID:33e620ff



  次の日も我々は散歩をし、庭の四阿(あずまや)で食事を共にした。
  
  私は村の “無” について話を続けた。
  
  それは魂が立ち去った後の肉体に似ていると話をした。
  
  あるいは家財道具がすべて運び去られた後の家屋にも似ているかもしれない。
  
  「もしくは砕け散った陶器の破片」 女がぽつりと口に出したので私は問いかけた。
  
  「あなたにとって壺とは何なのかしら? 村人たちから生まれ故郷で死にたいという願いを持ちかけられた時、
  
  なぜ壺を使ってそれを解決しようとしたのかしら?」



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            ∥ r' ; '                   :     |Λ. . . .ノ: : . . : : \      }二ニ
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              ヤ  ゙r': . : .゛ ,, ゙           ,  ' /    ∨二-_: : . . : : . .  . /ニ/
               ∨ : . : . : .      、   。,   '         \二二=- __ -ニ>''´
                   ; ': .; ': .、 ; ' ゛  。,   '  /         ``~=こ二二>''´
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295  名前:◆NBJATnhEhM[] 投稿日:2021/02/27(Sat) 11:17:55 ID:33e620ff



  女は言った。
  
  「私は若い頃、壺を焼くのに夢中になった。 本当は皿を作ってもよかったし、杯を作っても良かったのだが、
  
  なぜだか壺を造る方に心が惹かれた。 あの老夫婦のもとから離れ傭兵団に入ってからは作陶を辞めたが、
  
  金を出して壺を買い求めることは続けていた。
  
  私が好んだのは、壺の口が小さく、真ん中が底よりも膨らんでいる丸い物だった」
  
  女は続けた。
  
  「中に何を入れる訳でもなかった。 時折水差しに向いたものはそのように使う事もあったが、
  
  私は基本的に壺を何にも利用しなかった。 それはただ容器としてそこに在るだけで充分だったんだ」


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296  名前:◆NBJATnhEhM[] 投稿日:2021/02/27(Sat) 11:17:55 ID:33e620ff



  話はそこで終わった。 私は女が口を利いてくれたことに感謝した。
  
  私は自分の部屋から、赤い壺と緑の壺を手ずから持ってきて庭に並べた。
  
  女はそれを見ると腰を下ろし、靴を外し、両の足の裏でさわって壺の感触を確かめた。
  
  これらを引き続き持っていてもいいかと私は女に尋ねたが、返ってきた答えは無言だった。
  
  女はひとしきり壺を触ると再び靴を履き、立ち上がってこちらに背を向けた。
  
  少なくとも持つことを禁じられてはいないのだと考えると、私の心は少し軽くなった。
  
  その日の面会はそれで終わった。




                                                 _,.
                                             _,. -'"
                                            _,.-'"
                                    _,.-'"
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                                   _,.-'"
                                _,.-'"
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297  名前:◆NBJATnhEhM[] 投稿日:2021/02/27(Sat) 11:17:55 ID:33e620ff



  また次の日も我々は敷地内を散歩し、工房を訪ねた。
  
  私の使う食器を作っている場所である。
  
  最終的には数回使っただけで割ってしまう物なので、装飾などはほとんど施さない、簡素な物を作っている場所だ。
  
  女は陶工が皿を作る姿を興味深く眺めていた。
  
  そこで私は彼女の代わりに掛け合って、この女が壺を焼くのを手伝ってくれないかと頼んだ。
  
  陶工はそれを引き受けて女のもとに土を差し出した。
  
  彼女が土を辛抱強く足で成形するのを、私は飽かずに眺めていた。



                                            γ⌒ヽ
                                              乂__ノ
                                               ノLム寸h,
                                          xく/ Lム-寸h,
                                          xく/‐- ‐Lム-‐寸h,    _____
                                       r== xく/ーーー‐ーLム--‐寸h /{ー‐{
                                     ノ-xく/ーー-ー‐-ー‐Lム--‐ / __.{____.{
                                      く_xく/ー-‐‐ー‐-‐ー-ーLム-‐./ ̄/   / ,
                                    xく/‐ー‐ー‐-‐ー-‐---ーLム 〈  /  /寸h,
                                    xく/‐---‐-‐ーー-‐-‐‐ー-ーLム V_____/‐- 寸h,
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                    _にニニニニニ{エニl_lr‐| |{_l_l_|:|{__/   }  }   }  l__ | └_r'⌒; ; ; ; ; ; ; ;
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二ニ=-r‐=宀冖T¨¨「 十 [工」__j____| 」ニ|{_l_l_|_j__工___| |:()二,ニ,コー ん; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ;rへ
  t冖  ,}  ̄ 工___,,L、、-┴''^^^^^^ ̄¨¨7冖宀=‐- ..,,,_ }_{/    戈; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ''"; ; ; ; ; ; ; ; ;
r-‐━y=-‐―ァ-‐ァ、       _,,,、,,,::''''"´   ,,;:''''゙゙"          _ノ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ; ;
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298  名前:◆NBJATnhEhM[] 投稿日:2021/02/27(Sat) 11:17:55 ID:33e620ff



  それから連日女は工房に通い、壺を造り続けた。
  
  私もそれに付き合って工房に行き、彼女の作業を眺めた。
  
  壺造りは無言の中で行われた。 時と共に迫ってくる死の影に追われて、女はひたむきに壺を造り続けた。
  
  出来上がったそれらはいずれもでこぼこで味わい深い造形をしていたが、
  
  女は最後に焼いた一つだけを残して他をすべて叩き割ってしまった。
  
  「満足行く物が一つ造れればそれでよい」 と彼女は言った。





              _,. ィk=ニ二三ニ=ヲ‐-_;::-一=ー-、,._
             /´;ー;―;‐;-;-;-;--; 、; _`ニ三弌==-‐'´_;``ヽ
            f. . . . ;:,.、. . . . . . . . . .`. .`. . ̄. .ヾ, : : : : :;;;;;‘,
               {. . . . |il|ムi|. . . . . . . . .;r≦从;、. . . . . ',: : : : ;;;;;;;;;',
               | . . . .|il斗/|. . . . . . . . ;|li'´ノj 'l. . . . . . ; : : : ;;;;;;;;;;;}
               L;_ィァd斗/ll|; . . . . . ; : }|ij 'ィ ;ノ |. . . . . . ; : : : ;;;;;;;;;;;|
             ``~¨癶厂匕ミヽ;:_;,:j.|戈彡; :|. . . . . . ; : : : ;;;;;;;;;;;|
                      ``ヾ=辷≦戈}; . . . . . ; : : : ;;;;;;;;;;;|
                           `゙`~-癶匕.j:_:_:_:L;;;;;;;;;」


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299  名前:◆NBJATnhEhM[] 投稿日:2021/02/27(Sat) 11:17:55 ID:33e620ff



  最後に出来上がった物は口がごく小さく、真ん中が大きく膨らんだ壺だった。
  
  あの赤い壺とは異なり、足で作ったにしては歪みはほとんどなく、綺麗な丸みを帯びていた。
  
  彼女はその出来栄えに満足するとそれを牢に持ち帰って隅に置いた。
  
  「これは私の腹だ。 赤ん坊が無事に生まれたら割って祝福しよう」




                           __
                          {_}
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                   ト-   _  ̄ ̄ ̄ || _ _,)
                      `lZfsx二ニニニ二- イ
                      , -z$鷲戔''””守ツ"´:::::::,ゝ 、_
               /、:::::::_,,.。rrⅷn ''''''ニニヲ毛,,xzzzz\
               /::::::`,g籖黑躋穐羇讀躊纐襷*・'”:::::::}i
                |i:i:g籖鬢i’.,.,   ̄i:i:i:i:i:i:i ̄ . di:。rrⅷNl}i
                |i㌢⌒'守靈℡%尨ki:i:i:i:i:i:i㍾顫顎穰蠻}i
               |”:::::::::::::Ⅷ欒躊囓讀i:顫麥・'”::::::::::”靑|
                   i{::::::::::::::::Ⅷ麥'::::::鸞籘鱒i”::::::::::::::::::::::}i
               i{:::::::::::::::::ヾシ:::::::::鍛$粤'゜:::::::::::::::::::::::}i
                   ∨:i:i:;:;:;::::::::::::::::::::霤籠}::::::::::::::::::::::::::;}i
                  ∨i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:钁fマ;:;:;:;:i:i:i:i:i:i:i:i:i:/
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300  名前:◆NBJATnhEhM[] 投稿日:2021/02/27(Sat) 11:17:55 ID:33e620ff



  それから数日後に女の夫が神殿に到着した。
  
  彼は逞しい肉体を持ち、全身に呪術的な化粧を施した大男で、寡黙だった。
  
  彼は妻とともに牢に入れられることを希望したので、それを叶えてやった。
  
  女は近い内に死を迎える。 彼女を支え、勇気づけてやって欲しいと私が頼むと、男は静かに首肯した。
  
  男を女と同じ牢に入れてやると、彼は両腕のない女を優しく抱きしめて、その背中を撫でてやった。
  
  私はそれを見てそっと地下牢を離れた。



                           )\)\\ ┘\
                         -=彡 ::: \ \):::::::::{ ヾ、
                         //⌒ヽ::::::::::::::::::::::: ヽ: \_}}
                         {/  .ィ_ノ:::::::::::\ ::::::::: }::::::::::: `ヽ
                       /::-=彡'⌒\ : \::::/:::::::::f⌒V
                     〃⌒7: /⌒㌧ノ゙゙゙゙゙゙'ー'''"Y::し1
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                    . -‐…‐ミ: :´: :〈: : :.\ ‐`¨´/} `ヽ  }
                    //. . . . . :_ ヽ: : ‘, : : `¨¨¨´,′ . : \ ̄ ̄`ヽ
              ,: : . . . . . : :/: : : : }‐…=ミメ、ヽ { .′彡'´ ̄': : .\: :‘,
                 , V: :__/: : : : /´ ̄. .. ..‐-ミ:∨/ _. .´ ̄‘,: . ‘, :
             /: :/.. . . . : `'ー‐く/ . . . . . . . . .. .:| |´:. :. . . . . .:‘.‐-ミ|: :|
         ヘ、 .': :/.. .: . . . : : : : :}: : : : : : . . . . . . . .:ノ: :、 : . . . . : : : }: : :.`ヽ
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.         〈 / /=ミ、 \ : : : : : : イ‘,:.:.:.:. :\‐<: : .: .: .:人: : :‘,_ノ i|:. :. :. :. :. : :‘
.         i//.: : : :. :.\:.\_: イ   ‘,ヽ \: `ーr‐ : : :⌒|⌒ゝ-'.: : :八 : : : : : : : : ト .
       /'.′: : : : : : : i ア{        ヽ:‘, \ `ヽ_..: :个: ._ノア7 {  \:. :. : : : :ノヽ : ヽ
        Vi::| : : : : : : :/: : }       r{ /: : : : `'く: : : : : | : : /: ノ.: :}   i`¨¨¨¨´:. :.i: : : ‘,
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