塔について III

レス数:450 サイズ:1183.21 KiB 最終更新日:2021-03-27 09:45:10

51  名前:◆NBJATnhEhM[] 投稿日:2021/02/26(Fri) 19:55:12 ID:71883176



  私は扉に鍵が付いているのを見たので施錠をして、女と隣り合う形でベッドに座った。
  
  窓のカーテンは女の手で閉められた。
  
  女は私の衣服を一枚ずつ丁寧に脱がしていったが、その間も丸く大きな乳房が私の目の前で揺れていた。
  
  一枚服が脱がされるたびに私の胸はときめいた。 自分はこれから知らない場所へと向かうのだ。
  
  今まで思ってもみなかったことを経験するのだ。



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  { / '.       :レく_} }                 |   /}} ; 〔   ,' ;} {
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     ̄了}  ヽ   /  イ                   | {    /}
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           /  ,′                    ∨ハ く ̄

52  名前:◆NBJATnhEhM[] 投稿日:2021/02/26(Fri) 19:55:12 ID:71883176



  私はすっかり裸になると、女の膝の上にまたがってお互いを抱きしめ合った。
  
  私は女の顔に首をうずめて胸と胸を強く押し付けた。 そのため女の乳房は私の平たい胸の上で潰れたが、
  
  その感触はすばらしく心地よかった。 女は私の首を舌で舐め始めた。
  
  最初の瞬間はくすぐったいと思ったそれは、すぐに甘い感覚へと形を変えた。
  
  女は私の背中を温かく大きな手で撫でた。
  
  撫でられ舐められて、おのずと私の体は女の上で位置をさだめずに身悶えたが、
  
  その運動はますます女の体へと自分を擦り合わせる結果になり、さらなる官能が私の中で生まれた。



               /ニニニニニ/ニニニニニニ=-‐┴―-=ミ
       __  --―ニ二ニニニニニヽ二ニニニニ/: : : : : : : : : : :.`丶、
    __-ニニニニニニニニニニニ二=/二ニニ=/:.:/, /:./: : : : : : : : : : \
.  _-ニニニニニニニニニニニニニ二|二二ニ//: :///:./ /: :/: : : : : : : : :.:\
/二二二二ニニニニニニニlニニニニニ|ニニニニ/: :// ^X/ /: :/: : : : : \: : : : : :.
ニニニニニニニニニニニニlニニニニニ|ニニニニ_/ ̄/r( /У : : : : ∠__: : : : : : : : }__
二ニニニニニニニニニニ=|    マノニニニ={     ヾ/イ/: : :/ヽ: : }-ミ_l__ノ〉.:ハ
ニニニニニニニニニニニニ|:       ヽニ=┬'  :::::::_/: : :/、 ̄ : ノ: : ノ‐: : : ∧:.:.|
ニニニニニニニニニニニニ|           {   u ⌒ア: : :/ ^) ) ̄|`T⌒^T:Т : : : |
ニニニニニニニニニニニニ/     , -‐-ミ/≧s。 ´/: :.:./_/: :.:.|: :|: : : :.| :八: : : :|
二二ニニニニニニニニニ/    /    / : : /_」 ' : : /  |:| : : | : : : : : |/{:∧|: : |
二ニニニ/ニニニニニニ/    /   {/.:.:./ ノ | : / u |: : : : : | : : : : : |八| |: :/
二二二/ニニニニニニ/  ,.::≠-―<: :./ \  _|: :L=-八 : : : : : : : : : :!  /
二二=/ニニニニニニ/ /.:r;::ヽ    ヽ      |: :|    \\: : : : : : : :`、
二二/ニニニニニ二// ヽ:::::::ノ       )=-―  |: :|     ``~、、: : : : :.\
二=/ニニニニニニ/.             /      V∧         ヽ: : : : : \
二/ニニニニニニ/ :i           /  u      V∧  !       i: : :| : : : ヽ
=/ニニニニニニ/ 人          ′     .:::::::. V∧ ∧        |: : :|: : : : :.∨
/ニニニニニニ/ /: /≧=‐- -‐  |       :::::r;:::  V:.∨  ,     u  |: : : : : : : : :∨
ニニニニニニ/ /: / : /       人     _/ ̄_)   ∨ i  ∧       |: :/ : : : : : :|
ニニニニニ/ ̄二ニ===‐-  ___> ''´ニ/  _/)|: :|/ ∧       ∨ : : : : : : : |
ニニニニニニニニニニニニニニニニニニニニ ̄ ̄ /)|: :| / : |       |: : : : : : : : :|
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ニニニ|                      /.: :/ :/: :ハ |: :._,,:.斗-=ミ u |: :/: : : /
ニニニ|                    u       / : / : _厶斗‐|:「            ∨: : : :′
ニニニ|_〃                       _厶ニ‐ ''"     jノ            }: : : :|
ニニ∧{{                 /   _,, 二ニ==---――――――< : : : |
ニニ=∧    _ ニ=-‐   '''¨¨¨ ̄ ̄ ̄ ̄                        ヽ: :∧
ニニ二∧  '´                          し      ,     ∨: |

53  名前:◆NBJATnhEhM[] 投稿日:2021/02/26(Fri) 19:55:12 ID:71883176



  私は女の両の乳房の間に顔をうずめた。 そして両手で二つの乳房を握って自分の顔に押し付けるようにして揉んだ。
  
  それは至福だった。 私は肉におぼれて夢中になった。
  
  それから女がうながすままに、乳房の先端を口に含んで吸い上げた。
  
  乳首は固く、私はそのしこりを舌で繰り返し転がして味わった。
  
  女の口から嬌声が上がったので、私の胸の動悸はますます強まった。




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54  名前:◆NBJATnhEhM[] 投稿日:2021/02/26(Fri) 19:55:12 ID:71883176



  私は女の口元に自分の唇を近づけ、キスをした。
  
  女が舌をだらしなくあらわにしたので、私はそれを吸って自分の口の中に吸い込み、舌で愛撫した。
  
  その間もお互いの手は休みなく相手の肉体を擦り、撫でていた。
  
  私の気持ちは高まり、次第に次の段階へと進んでみたくなったが、何をすればいいかは分からなかった。
  
  ただ熱い思いだけが体の中心で行き場もなく燃え盛っていた。
  
  女は私の気持ちを見抜くと、ひときわ強く抱きしめた後に体を離して顔を合わせ、微笑んで目を細めてみせた。




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            {:.:.:.:.:.:.}i`ヽ′ .八
             、:.:.:.:.:ij:.:.:ノ    ,
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             し 、 .ij     .ハ             -=≦
               }        ハ        -=≦    ',
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55  名前:◆NBJATnhEhM[] 投稿日:2021/02/26(Fri) 19:55:12 ID:71883176



  了解の合図だ。 ああ、私はこれから次の場所へと歩を進めるのだ。
  
  女は私を体から降ろすと、ベッドの上でその足を開いた。
  
  私は自然とその中心に視線を落とした。
  
  そこは貝のように口を閉ざしていたが、不思議と合わされた花びらのようにも思われ、
  
  神秘的な沈黙のもとに私のことを誘っていた。
  
  まさか。 よりによってそんな場所を使うというのだろうか?


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                       / : ,、、: \:.:ム: : : :Vヽ
                   / ̄:. :. :.',^\ : :V ム二Y7∧
                   .′∧: :. :.jI斗匕: :V ム`ヽヘ:∧
                    |: :.{.:∧: : : :', ,ィ示ア: :ム /:∧∧
                    |{ : V:ノ:\: : ',  ゞ' }: : |': : :∧、:.
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                        />''"~~"'ー/   ゝ::::::ノ l/! {/ ./ヽ_
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            rくヽ.|ニ∧.}.从      /  l      {ニ|- ∧¨¨´l|: :. :.∧
           `¨i`'|二ニヽ、 `ー‐=≦     }      /}ニ|二 ∧  l|: : : : :.|
            ゝ|ニニ-{=\`~ }   _  -=ニ二./ニ.}ニ|二- ∧ |: : : : :.|
            |ニニ-{二ニ\./≦ニニニニ., --{ニ二/'-人二ニ/{.ノ V: :. :.|
            |二 二Vニニニ`{≧=--=≦}二/ニニ/¨´   W /'∧   V: :l|
            ∨ニニ-V二- ∧二二ニニ}-/ニニ/      ∨-ニ∧  }:. :.|
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                 /二 ,.'   ``~、}>―‐┘     jI斗-  ∨ニ|/.}:.:/
             {二,.'                  /      V / .,':/
             { ,.'                   /          V /
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.      ,'              , '            ∧              W
.      ,'             /             .∧            W

56  名前:◆NBJATnhEhM[] 投稿日:2021/02/26(Fri) 19:55:12 ID:71883176



  私は驚きと恐怖に包まれて混乱し、押し黙ってしまった。
  
  女は微笑みながら次の私の行動を待っている。
  
  無言の時間が過ぎた。 しかし次第に私の中で好奇心が持ち上がってきた。
  
  女はここまで私のことを導いてくれたじゃないか?
  
  彼女がそう言っているんだから、私は黙って信頼し、おとなしく従えばいいのだ。
  
  ここには他に誰もいない。 だからきっと、どんな禁忌も許されるに違いなかった。



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             |///>''” ̄ >ァ'⌒\___       ヽ
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              \  \ 〈___〉  /   (  ̄ \ \ ̄ ̄ ヽ
              />‐/ ̄: :/ |', : : ̄\__/、  /  Y    〉
            ∥ {: : {: : :.丁`トヽ: : : :_レく\\(__/ ⌒)   /
                {  乂 ゙ : : ∥ ¨ヽ \_>〃⌒ヽ \ ̄ \__/
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57  名前:◆NBJATnhEhM[] 投稿日:2021/02/26(Fri) 19:55:12 ID:71883176



  女はゆっくりと身を後ろに倒し、大きく股を開いた。 私は身を乗り出して女の股の間に顔を近づけた。
  
  この世の秘密が分かる。
  
  その時である。
  
  扉が強く叩かれて怒鳴り声が響き渡った。
  
  「そこにいるのは分かっているぞ! ドアを開けろ! 二階に上がるなと言ったろう!」




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58  名前:◆NBJATnhEhM[] 投稿日:2021/02/26(Fri) 19:55:12 ID:71883176



  男が血相を抱えているのが扉越しでも分かった。
  
  今にも扉を蹴り破って部屋の中へ押し入ってきそうだ。
  
  私は、生きた人の肌に触れてはならないという禁忌を破ったところを咎められたような気分になり、ひどく混乱した。
  
  お前は周囲の人たちの信頼を裏切ったのだ。
  
  お前はもう神ではない。 ただの色情魔だ。
  
  「開けろ! 二人とも殺してやるぞ! どうして二階に入った!?」




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{ V: : :{: :! 乂弋zり¨ヽ  \: :∨、: : 、j: :!: : : : : : : : : : :/ ,リ
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59  名前:◆NBJATnhEhM[] 投稿日:2021/02/26(Fri) 19:55:12 ID:71883176



  扉を叩く音が一層強くなる。
  
  我々はカーテンを開けて窓を開いた。
  
  だが二階は思ったよりもずっと高かった。 そこはまるで王城の尖塔の頂きのように高い。
  
  ただの家屋の二階がこんなに高いはずはなかった。
  
  しかし、確かに高度があるのだ。 これでは降りてはいけない。
  
  私は部屋の中を見渡した。 観音開きの棚がある。 何を思ったか、私はそれを開いた。




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60  名前:◆NBJATnhEhM[] 投稿日:2021/02/26(Fri) 19:55:12 ID:71883176



  中から年端も行かない少年の死体が転がり出てきた。





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61  名前:◆NBJATnhEhM[] 投稿日:2021/02/26(Fri) 19:55:12 ID:71883176



  女がそれを見て悲鳴を上げた。
  
  死体の背中には短剣が深く突き刺さっている。
  
  金切声が部屋中に響き渡り、それに呼応して扉の外からの脅迫もより力を増した。
  
  「それを見やがったな! 畜生、お前ら! 殺してやる! 殺してやるぞ!」
  
  扉に叩きつけられる物が拳や脚ではなく別の何かに変わったことが、その音から分かった。




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              /: :,': : : :` k: :./ .!:∧: : :.l: :!   ./v!: :/l: :_: : :lミ-く~lj-=- ヤ
             メ:l: f: : l: : : i!:.\ !f V: :.N:.',  .〃.j,.ァ'"「: : : :!:x:.}ハリ~ヽ'"
            /ィ !:.i!: : !: : :.!V,z=≧ミ... V: ! ヾ、_,.>'チ'  ムl: :j:.ル: メ:ノ: : : :Y
            "~  |:f|: :.i!:v: :!.《 r.f;灯  マ:|  ィfう云抃':ソ:.ソリ''v:.アv: : : : :!
               l:l V;!l: V:ム ` 乂ソ    '     V;乃 .メ7:./:.ム.ルf: :ハ: : : :.j
               .i! .N |: :ヘ:',.             ¨´ ./:/: :fノ: :!l:.f }: : :ム
                  |: : :ムゞ. i|ili    .!         ./イ !: :l: :v: lN .l: :./
                 ./|: : :.|:ヘ    , ‐‐- 、  U .",.イ!: :!: :ヘ:.l  |:/
                メ: :!: : リ斗ヽ   {/:::::::::::::::}   ./j`'|: :|: : :.ヽマ ."
               /:,.>!: / _ .lV.ミ:..、ゝ ::::: ノ ,. イメ/ .l: :!`'v: : :\
            >'":/ .,./:/.,_f .「V.Vl`*ミh。.,,, 。<,.ィ"i!/  l: :.! .\: : : >s.,_
         ,,.。*''": : : /  .,i':/ミ `.Y.V ヽi! i!.~F''''if"v'',>-.ミ   .',: :.マ   ~≧ミx: : :~≧ー-=ニ..,_
    _,.。 *''": : : : : : : :/ /イ..,,_ `ヽ、! V .`ト.、!___j!,.fく,斗ミ \ V: :マ     .\: : :~"'气 ̄ "~"''~、、
..>''~: : : : : : : : _,.。 イ//ィ f   \ ハ!  .Y      /'"    \\ V: :Y     }: : : : : : : `丶、
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62  名前:◆NBJATnhEhM[] 投稿日:2021/02/26(Fri) 19:55:12 ID:71883176



  衝撃とともに扉に小さな裂け目が出来た。 そこから斧の先端が覗いている。
  
  女がますます恐怖して叫んだ。 驚くべきことに、今や部屋全体が小さく振動しているのが足から伝わってきた。
  
  私は裸のまま棚の中をさらにまさぐった。 何か、何か役に立つものはないか?
  
  私は棚の底に二つの壺があるのを見て取った。
  
  そこには大きな壺と小さな壺があった。
  
  何だって?


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63  名前:◆NBJATnhEhM[] 投稿日:2021/02/26(Fri) 19:55:12 ID:71883176



  大きな壺は赤い地肌をしており、歪んだ大きな腹をしている。
  
  小さな壺は美しい緑色を輝かせて、細い首を伸ばしている。
  
  これは、私が村で拾った壺じゃないか。
  
  どうしてこんな物がここにある?
  
  私はずっとこれらの壺のそばにいたのか?
  
  斧が叩きつけられ、扉にさらに大きな裂け目ができた。 そこから男の血走った目が覗いている。
  
  「やはり貴様ら! 死体を見たな! こうなったら死んでもらうぞ!」




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64  名前:◆NBJATnhEhM[] 投稿日:2021/02/26(Fri) 19:55:12 ID:71883176



  女はすでに半狂乱になり、髪を振り乱しながらその場でぐるぐると回っている。
  
  扉には斧がぶつけられ、今にもすべてが破られようとしている。
  
  部屋は全体がさらに大きく振動し、大地震がやってきたかのように揺れている。
  
  私は少年の背から短剣を引き抜くと、裸のまま両の手でそれを構えた。
  
  それらの狂った構図の隅で二つの壺だけが泰然としていた。
  
  「殺してやる! 殺してやるぞ!」



         _____
、    ,...  ´            `ヽ、
:::\ /´                     ヽ
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:::/、- ': :/: :|: : : |: /、: / /: /: :,.イ: :;: : |∨ ̄}
、_/: : ': ::::|: : :下≧ミ、_, ': :,ィ斥ミ: /: : |: }_/
  /: :/: : : :|: : : {瓧)ソ //瓧ソ/:イ : /: /
 ,': :/: : : : :!: : : |     ´  ,   ムイ}::/
 { イ: : : : 八 : 从 、   -   イ: /: :∨
  八: 、: : : ∧: : } >r-=≦; :/:/}: :}、|            /|
   \}、:/ ̄从l \ {\}:_/:/:イ j: / }           // /
    〈∨乂\   \   }ト、__,/イ           / ノ /
     /   `乂_、   \ |!〈-〈          / //
   ,:       乂\  /_)、 }乂       <\/ //
  _ {       ヽ乂∨ (_) ヽ/}_     r-、>、\/
  }:\r-、,.- ァ   }  }'      ∨:}    .ノ    `;\>
  |:::/^\:::{_、  /          }イ   「::Y、__ , ノ'
  <{_/_、⌒>        |  /{、:::Y/:ァ.
   /::|    ,、_   r==;  = ∧ ´  /}/イ.
___{::::::{    {:::::::::::::::::::::::::::::::::,::_」  /
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65  名前:◆NBJATnhEhM[] 投稿日:2021/02/26(Fri) 19:55:12 ID:71883176




                  そしてついに扉が破られる――





ニニニニニニニニニニムマニニニニニニニニニ|: : : /       /ニ7: /ニニニニニニニニニニニニニ
ニニニニニニニニニニムマニニニニニニニニ|: : /        ,//ニニニニニニニニニニニニニニ
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ニニニニニニニニニニニニニニ:ムマニニニ:!′         /: /ニニニニニニニニニニニニニニニニニ
ニニニニニニニニニニニニニニムマニニニ|         ′,ニニニニニニニニニニニニニニニニニニ
ニニニニニニニニニニニニニニニムマニニ|       ,': :/ニニニニニニニニニニニニニニニニニニ
ニニニニニニニニニニニニニニニニムマニ |         {: /,ニニニニニニニニニニニニニニニニニニ
ニニニニニニニニニニニニニニニニムマ/′      Y<ニニニニニニニニニニニニニニニニニニ
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ニニニニニニニニニニニニニニニニ/             |ニニニ`>。. <ニニニニニニニニニニニニニ
ニニニニニニニニニニニニニニニニ/            マニニニニニニ=´‐<ニニニニニニニニニニ
ニニニニニニニニニニニニニニニ/            マニニニニニニニニニニニニニニニニニニ
ニニニニニニニニニニニニニ> ´,            .:|', .マニニニニニニニニニニニニニニニニニニ
ニニニニニニニニニニ> ,´ィ: : /              | ム マ,ニニニニニニニニニニニニニニニニニ
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ニニニニニニニニ,/.イニ/イ: /             ,': :}ニム  マニニニニニニニニニニニニニニニ
ニニニニニニニ/イニニ'/: : 〃               i: : !ニニム.  マニニニニニニニニニニニニニニニ

66  名前:◆NBJATnhEhM[] 投稿日:2021/02/26(Fri) 19:55:12 ID:71883176























         ――そこで目が覚めた。 




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       {: {: |:{: |: : ム込ム /   込リ }:/:∨ ,' /////, '
          ヽ从:ヽ:,: : ム       '      7}/:.∨ /////
         ヽ}: : \:込、U vっ   ィ:/イ: :ハ \/
           ヽ从リ: |: : > _ . </{':从/
              ヽ,-、 ノ    |ィヽ、
         r_7ヽ''  ̄`ヽ \   Y   `ーrイ
          {/  )ム      \  /     |!∧
       〈,{  ヽ、\         ∨__    // 〉',__
         |    } \{}__,.. イ / ̄}_{i// / ∨//≧ 、__   __
         /     ` r 、__ィー-'{///}、__ ∨ )   \ ̄\///////////
      ,.イ//       \    乂/ノ    ーr'      ヽ  `丶、//////
  ,.イ//ィ/         ヽ   ,イ////\  |  __  /ィ     ` 丶、
イ///  /r、    _     ',//////// \ {  \/∨/!___
//   ヽ}//Y/////  __,.,ィ//////////// >  _/// ̄/⌒}

67  名前:◆NBJATnhEhM[] 投稿日:2021/02/26(Fri) 19:55:12 ID:71883176
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68  名前:◆NBJATnhEhM[] 投稿日:2021/02/26(Fri) 19:55:12 ID:71883176



  私は深く混乱していた。
  
  今しがた見た夢はまったく思いがけないものだった。
  
  誰かが私にその夢を見させたのだろうか。
  
  そうだとして、一体何のために?
  
  私は赤い壺に向かうとそれを思い切り蹴りつけた。
  
  壺は転がっていき、大きな音を立てて壁にぶつかり止まった。




                      ∨ニニニニ\_,/  /               \
                       ∨ニニニニニ\  〈{                    \
                    マニニニ∨ニニニニニニ\ \           ___    冫
                    ∨ニニ〉ニ>-―=宀辷ーァ'゙ ̄>ミY7冖て⌒ヾ丐ミY\
                     ∨ニ〈ニニ{   ⌒>xァ'⌒ 乂/´: : : :乂__,ノ: : : :Ⅴ }〉 く
                      \ニ>ヘ/ /: : :人__/:|: : : : :\:ヽ : : : : : : :込(__冫
                       冫ニ7  /:/ : |: | : : : : l: : :|: : : :}:∧: : : : : : : : :`T 〈
                     //ニニ廴/7: :|: |: | : : | : ∧: :|: : :/:\:∨: : : : i: :|: :|__ノ
                    /ニ7ニニニニニ/: : |: |: i : : Ⅳヒ_:V゙\{:::::::::)人: : :i :|: :ト :|
                     ̄`7>----/: : : |从 : : : 杙迯ト:::::::)〉ィ迯刋: :/: :|:八:リ
                     〈/ ̄ ̄厶:/|: 乂: \_:乂 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ル1/: : :|\∧
                           // |: i: : : : 込    _ _ _,.イ: :∧: : :|  \〉
                          /   |: |: ∧人: :> `._,>-、∨}/∨リ
                              |/|/r‐= 〈厂 \/⌒Vハ ∨  ̄ヽ
                            ___/|   〈}   〈々  ` /〉   i|\
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             /i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i/   }〉   ∨/廴彡ヘ/        \i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:≫x,_
       .     /i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:/     j}    /ニ∧   ∧_   _    .〉:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:
          /i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i::∧    j{    厶ニニ∧__彡〈 /凶\_xくi:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:
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       i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:∧i:i:i:i:i:/    厶斗/  {ニj}     ゚ |   ゚  \   /ニニ7    ∨:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:
       /}i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:i/ }i:i:i:i/       /    マニ}       └‐┐    `ー彳 ̄´       ∨i:i:i:i:i:i:i:i:i:i:

69  名前:◆NBJATnhEhM[] 投稿日:2021/02/26(Fri) 19:55:12 ID:71883176



  私は淫らな夢を見た自分を恥じていた。

  本当の自分はあんな色情魔ではない。

  私はナイフを取り出すと自分の左手の甲にそれを突き立てようとして身構えた。




                         |≫==≪|
                         |≫==≪|
                 _、r丶` ̄ ̄ ̄\
                    ァ'´     ___iヽ
               |_,、丶` ̄     `Y  |
                  Y´      __ノ   |
            __|  _ ,、丶`ー― 、lー'
________,/ニニ ァ´         )|
              iニニニl   ――――― ´ |
              |ニニニ(    ____) |
              |ニニニ|   _ ≠|≫==≪|
__________乂ニニ\__ ノ  |≫==≪|
                 ̄ ̄    ̄ ├―― ┤
                    r≦三三三三三三≧、
                   ー―‐| ̄|i ̄ ̄|‐一 '
                      |_|i__|
                      |: : |!   |
                      |: : |!   |
                      |: : |!   |
                      |: : |!   |
                      |: : |!   |
                      |: : |!   |

70  名前:◆NBJATnhEhM[] 投稿日:2021/02/26(Fri) 19:55:12 ID:71883176



  逡巡があった。
  
  私は深く息を吸って、吐いた。
  
  私はナイフを持った手をゆっくりと下ろし、床にそれを捨てた。





                         -- 、
                 , ― --    /´   〉
             /   _ _  /       /
             /    '´ ̄     l/}
           /             '  |
          ,'               ノ
          |                 /}
          |               /
,  -―‐-  、 _ノ                   イ
        丶 `丶、              ノ
           \ _ \        /::
           ノ \ 丶      / .:::::
           /    ', l  .  '´ .:::::::::
       /      | |≦ .:::::::::::::::::
     /        l.ノ .::::::::::::


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71  名前:◆NBJATnhEhM[] 投稿日:2021/02/26(Fri) 19:55:12 ID:71883176



  馬鹿な真似はよそう。 一体何になると言うのだ。
  
  だが怒りは収まらなかった。
  
  私は外に出ると胸に息を吸い込み、空に向かって思い切り吼えた。





| ヽ\                                /   ハ. !///!
|  ヽ\                                   ,'  |///|
|    ` ー-          .::∠二ニニ二',            ,'  |///|
|                 / -―――-、',          ,'  从///!
|                 /V´: : : : : : : : : : }ハ         ,'    \/!
l              /: : : : : : : : : : : : : : : :.l|        /    \ヽ
',             /. -―- 、 __: : : : : :l|          '     ト、{^ヾ
‘,           ,'      \  `ヽ_: :j|       /     ! |////!
 ',            lハ           ',`',l|        /     | |////|
  ゚,           |',ヽ           } リ        /     | |////|
  ',         ',::. 丶          / 〃     〃|      N////,!
   ', 、       ヽ:::.、\ノi   .ノレ//    / /|   i  |/////!
    ', \         丶:::..、 'ー-‐' //   / i ∧.!   |   |'/////i!
    ヽ 丶、       丶:::` ¨¨ ´ /  / ∧从{  |  |  |'/////,!


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72  名前:◆NBJATnhEhM[] 投稿日:2021/02/26(Fri) 19:55:12 ID:71883176



  それから村中を駆けまわった。
  
  熱を持った日射しが体を焼いたが、私は構わずあちこちを走り続けた。
  
  裸足で、砂や石が足を傷つけるのも意に介さなかった。
  
  喉は深く息を求めて喘いだが、私は自分に鞭を打つように声を振り絞って叫んだ。
  
  一個の獣と化した私は、休まずに村中を駆け抜けた。



              _  ―  ´    ∠_            ヾ:Y ´       /     !     ー  、__ /  r― 、         /:!
            /          /: : : `> 、        l:j_      /     l        /::/     /: : : :.}     /: :|
          イ            {: : : : : : : / `> 、     ゙=''--、       l \      `ニ      {: : : :/     /: : : :l
    _ - ―´´` rュ <´ ̄ ̄``  {::::}\: : : :, '        `ヽ  /  _ \      !    ヽ   __/::ノ     }: : : ー ´: : : : : : :l
   ,ヘ.       / ̄`: . 、           l: :.,.'        ,_ノ  ィ<     ヽヽミ、  r::.、__   /:}´      ヘ.__/: : : : : : : : : : :_:_/
    ̄ V     !: : : : : : : :\       / :/       / ー7´          l |`゙ ´  ̄  `ヽ:/      /: : : : : : : : : : : : : /´
      ∨    l: : : : : : : : : :.\___/: / ヽ    /: : : :/       ノ | /        \     \: : : : : : : : : : : /
       ヽ _ }: : : : : : : : : : : : : : : : : : :,'   ` - ∠_: : : :./      /: : :l/          ― 、)     l: : : : : : : : : : :l
        /: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :.、         ` 、 '      ./: : : : :.\___/: : : /        j: : : : : : : : : : : \
       `ー 、: : : :- :_: : : : : : : : : : : : : : :`: .、       ヽ.     /: : : : : : : : : : : : : : : : : : /      /: : : : : : : : : : : : : l
              `ヽ:_:_: : : : : : : : : : : : : :` 、     ‘:, /: : : : : : : : : : : : : : : : : : :.{____/: : : : : : : : : : : : : : :/
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                 ` ー― ´ ̄`ヽ: : :./    \     \: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :<´
                                l: :/      ,' \     \_:_:_:_: : : :r ´ ̄ ̄ヽ:_:_:_:_:ノ
                           У       /: : :.:.\   /´ _/イミ<._
                            /       , '  ̄ ̄ .\/ / /: : :/__`!
                           /      /        ヽ/}/: : : l l´;;;;;;l|
            /: : :`ヽ       /      . イ               ヽ): : :l l;;;;;;;;;l|
            !: : : : :∧     ./    . イ                   ヽ: : :l l;;;;;;;ll
            V: : : : :∧  /    ./                  Y: l l;;;;;;;;゙ヽ
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               V: :}_ `¨7                          ∨l l;;;;;;;;;;;;;;l
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73  名前:◆NBJATnhEhM[] 投稿日:2021/02/26(Fri) 19:55:12 ID:71883176



  やがて私は疲労のために立ち止まった。
  
  膝に手をついて息をしながら、私はこれからのことについて考えた。
  
  これらの家全てに火をつけて回ろうか。
  
  いや、斧でもって一つずつ破壊して回ってもいいかもしれない。
  
  どうせここにはもう誰も住民はいないのだ。
  
  もぬけの殻。 それが私のいる場所の正体だった。




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i:{_从_ノL_从ノノ乂:.;:.;:.;:.:._ノ__|:_:_:_: : : : : : : :_:_:_:_:_〉;';';';':.;:.;: : : ,::; : :Y:.;:.;:.;:.;:;:;:;::;:;:;:;:;:;:;i:i:i:i:i:i:::::.;:.;:.;:.;:.;i:i:
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:;゙゙:゙:;":゙:;":゙;゙:゙:;":゙:":;゙:;":゙::゙:":`:゙::゙:;゙:":;゙:゙:":":;":;゙:;゙:;゙:;":゙:゙:゙:;゙:;"゙:;゙":;゙":;゙:;゙:;";゙;";゙;゙;゙弌ミミwx、  :.``'ミミx、

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74  名前:◆NBJATnhEhM[] 投稿日:2021/02/26(Fri) 19:55:12 ID:71883176



  私は自分がいつの間にか例の陶器の破片がばら撒かれた場所に来ていたことを知った。
  
  しばらくの間私は瓦礫の海を眺めていた。
  
  どうしようもなく砕かれている。
  
  何もないところまで私は来てしまった。
  
  そのまま時が経ち、やがて視界の端にひとつの影が映った。





   : : : : : :   _‐_‐_‐_‐_‐_‐_‐  〈〉 __: : :(〉 : : : : :        _|_/_/ ̄ヽ
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     |`´|ー---f'^^i /_  ⌒><\-┴‐//::://:::{く\ \ /\〈 ̄\ソ/: : : : :  ///ヽ/::::{ {::::::::::∧
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/_ア´   / ̄ \〉::ト ‐''"    ∨ ̄ ̄//:::::/⌒ヽ/: : : 〈/⌒7ー<::/〈\,.ィ´/  ∨:::{  {__ノ \__〉 ̄\ノ(
_/ヽ   >''"~ {:::// {       }/ ̄\__/ ̄ヽ/: : : : : : :  ̄i´    >‐‐'" :}/_/ ̄\ ,ィハ__/二ア \/ ̄/ ̄ ̄\
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〈__〉 /: : : ::::::::::::乂〉 ̄. : : :/ ̄`   /:://|///\_   <⌒ヽ、'"        /      rzz//7ニニl_,ヘ:.:.:.\〉'´ ̄ \\
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 : : : >-ミ     _/  } ハ、    j j〈/ノ∠< ̄\\::〉:::::::::::\  _ / _   _‐   ....:::::::::リ:::} //(/::://:://::::::::::::
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_| |__| : : : :;;;;;;;;;;\,ィ=ァ'´/_}::乂‐=彡'´::::::::::::::::.:.:.:.∧  }::::::::::イ  レヘ///\ -=ミ   __     __>乂: : : : : : /\\:::::::::
/ ̄\: : /´ ̄ ̄ /// ̄;;;;;;;;;;ヽ∨/^^''ー:::::::.:.:.:.:.:.:::::} /::::/_ノ /  / マx<,ィ=ミ/`ヽ  _,、-''",.。o弋__>‐ァ'^\///,\::
三三㌻´,:゙ :..、 `ヽ|:|〈 : : ..::;;;;;/´::::::::::::::::::.:.:.:.:.::::::::::/⌒ヽー〉 \|_/  {  {   } : : ::リ/´::_ -=¨\;;/::::::/:.:.:.:.:.:.〉////,\
/_/´ィ⌒i   |  〈7 : ::::;;;;;;//´ ̄ ̄ `ヽ、::::::xく´ヽ  ,.: : :_ : ``ー‐ヘ /`¨¨´\ /\/ /: : : : _〉'´ ̄ヽ:.:.:.:.:.:./,、-‐…
j:厂乂_ノ\ _/ー ハ : ::::;;;;;∧/´ ̄ ̄:.`ヽ、\', ', Y、\:_:_:_())  ___≧s。.,.。o彡'⌒ヽ/: : :_ - ¨   ̄\\ /: : : : :
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_-=ニ≧s。.,/三三;;;;;::::::::::://::::::::::::::::::ヘ ∨::|: :// ∧∨ ̄ / 〈:.:.:.:.:/ // ̄|/::::::::::::::\\___//: : : _ -=\ \三三三三
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75  名前:◆NBJATnhEhM[] 投稿日:2021/02/26(Fri) 19:55:12 ID:71883176



  女が立っていた。
  
  背の高い、ローブに全身を包んだ女が、陶器の破片を見つめながら立ち尽くしていた。



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               i;;;;r┬‐''i i;/;;!::::;;;:::::::;;;;;;;;`;
                i;;;;ヽ_, i,'>i::::::::;;;;;;;;;;;;;;;/
.              ,r‐‐‐--、>'´;;;;;;;::'';;;;;;;;;;:;/
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76  名前:◆NBJATnhEhM[] 投稿日:2021/02/26(Fri) 19:55:12 ID:71883176



  女はやがて意を決したように頷くと、足を使って陶器をかき分け始めた。
  
  何をやっているのだろうと私は思った。
  
  彼女はこちらの存在に気が付いていたが、特に注意を払っていないようだった。
  
  私は彼女の傍まで行き、やっていることを観察した。
  
  女は熱心に陶器を足でかき集めていた。
  
  彼女は時折身をかがめて陶器の欠片を眺めた。



                       ,. - 、
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                      /;:;:;:;:;/;;:;:;:;:;:;:;:;:;\
                  V;:;:;:;:;:;{;:;ハ;:,,:;:;:;:;:;:;/
                   {;:;:;:;:;マ _ ア;:;:;:;}
                       |;:;:;:;/; ;|―|; ;V;:;:∧
                      / >il\__/li<∧
                  /;:;:/\!   l  i/V∧
                 〈;:;:;:;ヽ! iヽ.ニ .イ l;:;/;:;:;:〉
                   入;:;:;∧  ̄ ̄ i . /;:;:;:人
                   ,...< : : \;∧ {示} i /; ;/: :>.、
             /:.:. :: :: :: :: :: : ̄! 比l i/ ̄: :: :: :: :: : \
             /: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :ヽV /'´.: :: :: :: :: :: :: :: :\
              V: :: :: :: :: :: :: :: :: :: : ,zテミx : : :: :: :: :: :: :: :: :: :/
              V: :: :: :: :: :: :: :: :: : {l{   }l}: :: :: :: :: :: :: :: :: :/
             V.: :: :: :: :: :: :: :: :: :ゞ三ツ: :: :: :: :: : : :: : : /
              〉.: :: :: :: :: :: :: :: :: :/云V : :: :: :: :: :: :: :: :〈
              }: :: :: :: :: :: :: : : : / l回l V.: :: :: :: :: :: :: :: :{
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77  名前:◆NBJATnhEhM[] 投稿日:2021/02/26(Fri) 19:55:12 ID:71883176



  どうやらこの女は陶器の欠片を一つずつ選り分けて集めているらしい。
  
  しかしなぜ足でそれをするのだ?
  
  そこまで来てようやく私は女にはそれができないという可能性に思い至った。
  
  しかし彼女の上半身はローブに完全に包まれているために、私にはそれと分からなかった。
  
  私は女に 「少しのあいだ動かないで」 と言ってローブに手をかけ、その肌に触れないよう注意しながら前を解いた。





                    _,,.‐一ー、__
                 __-ー       `ー― 、
               _/               `'、
               | 、               │
              〃 |                  |
                 |, - ‐|                 |
            _ノ′ _r'、                   l,
            _l   /:::::入               ヽ、
         _,.-‐'フ _/´::::/  ヽ                `'ー 、_
    ___.,r一'  _/  /::::::(_                       `'ー 、
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78  名前:◆NBJATnhEhM[] 投稿日:2021/02/26(Fri) 19:55:12 ID:71883176




           思った通り、女には両腕というものがなかった。 




                                _
                           /    `ヽ           `ヽ
                              /       '.                i
                          /         '.            |
                            イ          }     /     |
                        ,' l             |               |
                          / i.           |       、   |
                       /   .          ト          ヽ  |
                         /     '.         |  \       ' |
                       ;       .        |   ヽ        '|
                       ;′      i       |     :.        }
                       ;        l       |       .     .:.;:〉
                      ;        l       !      i     '´
                      ;′      :.       :      ..; _ . ´
                     ;        :       ,!      /
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         '                      人..   _
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79  名前:◆NBJATnhEhM[] 投稿日:2021/02/26(Fri) 19:55:12 ID:71883176



  私は女の両眼を覗き込んだ。
  
  それは虚ろで、精彩を欠いている。
  
  頬には血の気がなく、身体は力なくだらんとしている。
  
  それでいて内の芯には踊り狂う大蛇にも似た凶暴な力が秘められているのが窺えた。
  
  おそらくはこの女も私の類縁だろう。 つまり呪術師か巫女か――あるいは、神。



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                  ヽ        `、/`、 !:`!:i:::!:i;i;:::::::.:::;:;:::::::::::;::::::::::::;:::
                  fヽ        `ー‐ヽ v`:!:l::l:::'i:::::::::;:;::::::::::::;::::::::::;::::
              ,! ヽ           !::i;!::l:::::ヽ::::::;:;::::::::::::;::::::::;:::::
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80  名前:◆NBJATnhEhM[] 投稿日:2021/02/26(Fri) 19:55:12 ID:71883176



  私は女のローブを元通りに整えると、自分が瓦礫を片付けてやろうかと申し出た。
  
  その体で瓦礫を掃除するのは大変だろう。
  
  自分なら腕があるからそれができる。
  
  あなたはこれを最終的にどうしたいのだ?
  
  そう問うと女はたっぷり数十秒は間を置いてからささやくような声音で答えた。
  
  「人々の墓を作る」


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           /ヽ  /: /:/:l|: l  |:|:|,ィt≠ォァ : : : |:、: : : :\   〉
          \ ∨: :{: |: :lィ=ミ、}从 弋ヒソ/}: : : ,'^∨:、: : :{\/ヽ
            }/:/: 从、: ムVj        /: : :/、_ノ:}: :\:∨_>'
               /:イ: /: /}/叭 '  _    ,': : :/|:ー': :|: : :|:ヽ} 、
           {:/: /: /:/:从ム、 ` `  /: : / l| : : / : : |:/ニニ\
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              /:イ       /rミ≧「∧∧:{ //勹ー:/イニ// ∨ニニ\
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                }    | { `\:':::|    |           〉二/
              /_\、  / _ー=\|   /             /二/
              /{イ/\,' <o_,>   〈   、   _/ / ,'ニ/
               / 〈イ_〈 <o_,>    >=介==== < / イ

81  名前:◆NBJATnhEhM[] 投稿日:2021/02/26(Fri) 19:55:12 ID:71883176



  墓を作る? それはどういうことだろう。
  
  人々の死体はどこにも見当たらなかった。
  
  墓とは、文献で知った知識だったが、人の死体を埋めてその上に碑を築くものではなかったろうか。
  
  我々の宗教が否定した物だ。 そう尋ねると女は答えて言った。
  
  「死体はない。 それはお前たちに奪われてしまった。 だが代替となるものはある」
  
  そう言って女は瓦礫に目を向けた。 どうやらこれが 「代替となるもの」 らしかった。




                             _,.ィ二ヘ,._
                         .ィヘヘ仁三三ソミヘ二三二ュ,
                       .ィヘ三二ニ=r f三>'"¨}三三三}
                    _,.ィヘ三「 r ヾ丶ヾ i二i ヘ三三三{ー`ヽ,
                _,.ィ二三三ir゙" ソ ア´ ̄ ̄`'丶、 ∨'´ ヽ,三三ハ
               l仁iノ二二三l .ィ´ iソ`ヽ>=一<`ヽ、 iヘィ仁二三三℡ュ,
               }三三二三三ヘ / / l/i /∀ゞ、 ヘi三≦三三二二℡ュ,_
               Ⅷ斤廿三三}≧ュ仁i l } { ソミ彡、ソソ二二三三二二二℡ュ, . . .:. :.: .: .: .:.: .: ..:
二二,,_,.、..: .:.. ;.;.:.: ; :.. ;.;. :.: Ⅵハ三/ ̄`ヽ,ヘヘi .l`ヾ、r=≦三二 iソソ三三三ソニ二二二℡ュ, . . .:. :.: .: .: .:.: .: ..: ―,.、__
 ̄ ̄__,、_ '` ̄ ̄ ̄:...   ゙̄'ヘ川∧=-‐-ニ三ミ>'゙¨ ̄ ̄  ̄`'ニ=ュ,.`' ̄ ̄ :.:. :.: .,.、__,:二=二二,,_,.、..: .:.. ;.;.:.:
 ̄.: ;;.: : ̄ ̄'`ヽ、_::     ,.Ⅵ三二≡=‐'"¨.. . .. . .    ̄ ̄__,、_ '` ̄ ̄ ̄:...   ̄ ̄'`―''"´. . ; :.. ;.;.:.: ; ,;__,,.、_,
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  ̄ ̄ ̄.:.          .:.:: ; . , . ;: :.: :.: . . .. . . ..  :.:.: :.:   : .:.: ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ _;;'_,.、  .: .:{!   _// {!,//∧/∧
 ̄ ̄ ̄'`―――           ___r―ァ―┐__   _ , , , , , , ,   _, , , , , , ,_ , , , , }! ミ 三(ミ {!/////∧/∧.:
               ,, , _, r‐へ人 /ー=lー┐   ̄ == 三三rへ  ー       / > ― 三ヽ厂 二 ヽ//ヾ
.:.:: ; . , . ;: :.: :.: . . .. .       r┤ミTフ ⌒ く Χミ コ  ___    ̄ ̄    :.:.:.:.:.: _ _ /     。 o   〈_∠〉  ̄ ̄>┐
      ̄ == 三三rへ   """" rァ ⌒  ̄ ̄         …       :.:.    |ト    V   """    _ ∠Ζ//,L
                :.:.:. _ ``   …    " " :.:.:.:.:.:.:.:.:.    :.:.:.:.:.:.:. ;  ̄ __|〉  人l |l ||  厂 ̄ 厂 / \Y∧7ハ
  .:.:: ; . , . ;: :.: :.: . . .. .   _厂ム \ :.:.:.:.  …:.:.:.       :. :.  ⌒ ̄   / ヽ   \/  人_{! \ ノ   ∨  ノ'/∧=-
  ――'`―― ̄.-'`     '彡三三7   :.:.:.= :.:.:.:.         :.  :.      r―yヘ   l}  三/ ミ/三三ヽ{_〈 ̄\彡\{!ヽフ /

82  名前:◆NBJATnhEhM[] 投稿日:2021/02/26(Fri) 19:55:12 ID:71883176



  私が不思議に思っていると、女はまた数十秒の間を置いてから声を発した。
  
  「陶器は人の体を表している。 一人の人間に一つの体。 体があれば離れた魂はまたそこへ帰ってくる」
  
  女はそこで言葉を区切り、虚空を見つめた。 長い間を取ってから再び女は口を開いた。
  
  「陶器のかけらを一つ一つ識別して、個々に分けて集める。 それから個別の場所に埋める。
  
  一つ一つ墓を作るのは骨だが、今や空となった家が墓標代わりとなるだろうから、そこへ埋める」
  
  どうやら、そういうことらしかった。 だが欠片の区別など私にはできそうもない。
  
  そこで女が陶器を選り分けるのを待って、集まったものを私は指示を受けておのおのの家に埋めに行った。



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ニニニニヘ爻ミミミ爻ミミミ爻ミ    . : . '⌒ヽ    )⌒ソ   )⌒ヽ⌒ ノ⌒ . : : ノ⌒ヽ
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,:;; ,:;: :;,; ;:;:, :;: Ⅵ彡爻ミミミ爻ミミ爻爻爻kx,、,、,、,、,、-‐''"´.:.:.:.:.:.:.:.::::::::::`丶.:.:.:.:.:.:\爻ミミミミ
,;:;_,;:_,;:_,;:_,:;_,:;_ヤ彡爻ミミ蘂ミミ蕊爻爻爻爻_:_:_:_: : : : : : : _二_.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:xX狄狄狄ミミ爻ミミ
]i:| ̄|i:| ̄|:| |j乢ハ从蕊蕊彡蕊v(^ノ)爻爻爻x ̄`~~"''㍉、、 ̄``'''''''''''''''''''''''''''爻ミミ爻ミ
ニニニニニニi-┘{::Л::ハ::::)'7ハハハ(:Y:::{ノ(::ノ::)ハノ(vv"""""゙'i`Y:゙:゙:゙:゙:゙:゙:゙:゙:゙:゙:゙:゙:゙:゙:゙:゙:゙:゙:゙:゙:゙
vv、、,、vwi }:::ハ乂(::ノ:ノ:jノ:(ノY乂::乂::人ノ(ノ(ノ彡シ州仙I斗r'′}!:;.:,.:. .: .: .: .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
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83  名前:◆NBJATnhEhM[] 投稿日:2021/02/26(Fri) 19:55:12 ID:71883176



  その繰り返しが三日間続いた。
  
  女はいつも日が沈む前に森へと去って行った。 どうやら森の中が彼女の住処のようだった。
  
  次第に陶器のかけらは少しずつ減っていき、それと共に私が訪ねた家の数も増えていった。
  
  私には女がどうやって陶器を識別しているのかは分からなかった。
  
  あるいはそれは神通力の域の話なのかもしれない。
  
  四日目の正午に仕事は完了した。 すべての家を私は巡り、村人たちの 「体」 は確かに埋められた。




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84  名前:◆NBJATnhEhM[] 投稿日:2021/02/26(Fri) 19:55:12 ID:71883176



  最後の陶器のかけらを埋めて戻ってきた私を女は待っていた。
  
  女は無言のまま私のことをじっと見つめた。
  
  それからチラリと森の方を見やった。 もしや彼女は私を自宅に誘っているのだろうか?
  
  女は私の顔を見て頷くと森の方へと歩き始めた。
  
  私は戸惑いながらもその後ろをついて行った。 相変わらず太陽は激しく大地を焼いていた。

  汗が私の体から落ちて道に跡を作った。
  
  女はローブを着込んでいるにも関わらず、この暑熱の中汗一つかいていないようだった。




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85  名前:◆NBJATnhEhM[] 投稿日:2021/02/26(Fri) 19:55:12 ID:71883176



  我々は森の中を進んでいった。
  
  森の中は日射しが遮られ、涼しかった。
  
  歩きながら私はこれまでに起こったことを整理してみた。
  
  ある一地方で恐ろしい流行り病が起こった。 この辺境の村もそこに含まれており、ほどなく村人全員が死んだ。
  
  神職の内この地方を担当する者たちが動員され、死体はすべて回収され、影の谷へと運ばれた。
  
  だが村には実は生き残りがいたらしい。 それがこの女だ。
  
  おそらく村人たちは死んだのちもこの村を去りたくないという身勝手な願いを発し、この女に頼んだのだろう。




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86  名前:◆NBJATnhEhM[] 投稿日:2021/02/26(Fri) 19:55:12 ID:71883176



  といっても、死体を回収しにやってくるであろう男たちの集団に女一人で対抗できるものではない。
  
  そこで女は村人たちの願いをかなえるためにあくまでも呪術的な解決を試みた。
  
  それがあの陶器だ。 女はまだ村人たちが生きている間にその体を陶器に見立てて造り、それを村に残すように努めた。
  
  おそらくその一連の運びを見破った神職者の手によって陶器は念入りに砕かれたが、破片は持ち去られずに残された。
  
  それで女は諦めずに村人たちとの約束を守り、破片を故郷に埋めてやった。 おおかたそんな所だろう。
  
  とすると、私は神でありながら異教の女に手を貸してやった訳だ。
  
  ここにアサクラや他の神官がいなくて良かったな、と私は思った。




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                 ,イ `ヽ:.:≧ 、                   ゝr-、ィ    イ/
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ヽ          /  ヽ_ ノtッ 〈ァ'                   // r- 、 〈  〉 j》
〈   __ _ > ´/¨ 〉_ノ  _{_ノj                   //    ̄ヽ ̄`ヽ'¨ ヽ   ./l
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l   |::::::::::::| ,≠/ /´ ̄` <`ー 7      ,イ:..:.{⌒/  ヽ 〉       .//  / /´   γ ヽ
l   |::::::::::::|  / /    /ヽ_r- 、 _ __ _{_ .::> ´  }_〉ノ´  _ _.//  ./ /  /`≧、ノ
l   |::::::::::::| ./ /    〃 /        |:::::::::|  _ , イソ   ,イ:.:.:,r-.、/   / /   ⌒〉./__ハ
l   |::::::::::::|/ /    / 〃          |:::::::::|´//7     {:.:〃   }     / /     .//  〉ノ
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   {. ̄/ /   ./  イ         //::l::/    //::::::|   |::::::|‐、_ ,イ   _//  //   ○ o
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87  名前:◆NBJATnhEhM[] 投稿日:2021/02/26(Fri) 19:55:12 ID:71883176



  森の中の獣道は続いた。
  
  我々は無言のまま一定のペースで歩き続けた。




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iiiiiWWWiiii;;;;;;;;::::::::;;;;;;;き´:::y   ろ ≦::: :::iiiiwwiiiiiiiw;;;;;;:::::::......  ゝiiiiiWWWiiii;;;;;;;;::::::::;;;;;;;き´:::y
:::\\ :iレWWW;;;;k'^:::::k Z   ゝ::::::::`Ww、iiii\`WiiiiiWWW;;;;;;;::::き:::\\ :iレWWW;;;;k'^:::::k Z
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  |川 :i| wwiiiiw::::::,,r''::::y'ww   w`'^`-|i: :iiレ' .|i: l川|wW-'^"`  |川 :i| wwiiiiw::::::,,r''::::y'ww
  |川 :i|^'w|川k'w^ii/'"´WWW  WW  .|i: :ii|  |i: l川| |:ii|  |川 :i|^'w|川k'w^ii/'"´WWW
  |川 :i|  |川  |l:i|   |i:|    |:|   .|i: :ii|  |i: l川| |:ii|  |川 :i|  |川  |l:i|   |i:|
  |川 :i|  |川  |l:i|`''^`|i:|^`^''^`^`^`''`'|i: :ii|  |i: l川| |:ii|  |川 :i|  |川  |l:i|`''^`|i:|^`^''^`^`
  |川 :i|  |川  |l:i|  ~^~^        |i: :ii|  |i: l川| |:ii|  |川 :i|  |川  |l:i|  ~^~^
  |川 :i|  |川 ''"'''''           !|i: :ii|  |i: l川|`~^~^ !|川 :i|  |川 ''"'''''
  |川 :i| `~~~^.           .  wi゙|i: :ii|  |i: l川| |レ ' .  |川 :i| `~~~^.
  |川 :i|ww  ll        ._    .    `~~~^ !i: l川| .||   |川 :i|ww ll        ._
WWWiii||wW ヽ!l/                  |i: ll川|ii||/WWWiii|W ヽ!l/
         |レ'      wiiWWWiii||wW       |レ'      wiiWWWiii||wW
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88  名前:◆NBJATnhEhM[] 投稿日:2021/02/26(Fri) 19:55:12 ID:71883176



  やがて我々は一軒の小屋へたどり着いた。
  
  女は 「どうぞ」 もなく一人で扉を開けて中へと入っていく。
  
  私もそれに続いた。
  
  中の部屋は様々な薬品や怪しげな祭祀の道具であふれていた。
  
  女はやはり私と同類なのだ。 ただし私の属する教えとはまた別のそれに彼女は属している。
  
  宗教とも言い難い、土着の信仰や慣習に。 そういうことだろう。




        ,';';''^^乂_ヘ∨ヘ∨{\{┼十}∨ヘ/|:!`=冖ア{\     ト{___j,,,..} }_,,...}、tヘtヘtヘtヘtヘ
        ^''´   ^^'ヽヘ\ }¨¨ ̄l==|丁|:!  ./V,ヘ\{\  }、{-‐‐={ {、-‐}tヘtヘtヘtヘtヘt
              ';==ト{-‐┬{  : |工l:!/V,ヘ∨ヘV,\ Y\} ‐十{ {__,,,..}ヘtヘtヘtヘtヘtヘ
               ;;'{ ト l`{-‐十}   /∨ヘ∨ヘ∨ヘ∨ 「\ }    ハ!  {_,,..、-‐=冖''¨「
        ';  ;'~'; ; ; ; ;,ノ |\ト}┴十} /,∨ヘ∨ヘ∨ヘ∨ヘ∨\/-┴十 {、  }  l丁l:|: l{ー}
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~);'{:ノ;';';';';';';'ノ^^^´  ∨ヘ∨ヘ∨ヘ∨ヘ∨ヘ∨ヘ/       { ,}__,,,...、-{ilニl| l{  l` -一l{__}
i:i:i{;';';'_;'_;__ノ   l丁「| ∨ヘ∨ヘ∨ヘ∨ヘ∨ヘ/  ̄\  ilニl| ト{  }   {,||ニ|| l}⌒}  :  l}-{
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89  名前:◆NBJATnhEhM[] 投稿日:2021/02/26(Fri) 19:55:12 ID:71883176



  部屋の中央には木の切り株をそのまま形を保って運び込んだものがあった。
  
  女は部屋の奥に行って何かを物色している。 私はそれを待っている間、部屋中を隅々まで見渡してみた。
  
  三又の槍に弓と嚆矢。 抜き身の剣や、燭台に鐘。 それに大きな丸い鏡。 いずれも儀式に使う道具だろう。
  
  部屋の隅にはとぐろを巻いた縄もあった。 いや違う。 これは蛇だ。 どうやら生きた蛇が眠っているようなのだ。
  
  私はそのことに驚いたが、これも多分女が飼っているものなのだろう。 だとしたら害はないはずだった。





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90  名前:◆NBJATnhEhM[] 投稿日:2021/02/26(Fri) 19:55:12 ID:71883176



  さて、女が酒瓶を取り出して戻ってきた。
  
  口にくわえて運んできたそれを部屋の中央にある切り株に置くと、
  
  女は切り株の上にじかに座り込み、私の方を見て顎をしゃくった。 座れ、ということだろう。


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                 _,,-''´    ヽ ,,-''´     `ヽ、
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             /,;' /     /ヽ、 ,r'´!           ヽ
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            レ′i ,i i   i       ヽ  i  `、 、      i
            !   ! i ! i   l        ヽ ト、 `、`、       !
             !   ! !i !   !         i ! ヽ ヽ i       !
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91  名前:◆NBJATnhEhM[] 投稿日:2021/02/26(Fri) 19:55:12 ID:71883176



  私も切り株の上に尻をつけて座り込んだ。
  
  切り株の上に置かれた二つの盃の内の一つを私は取って自分の前に置いた。
  
  それから酒が注がれるのを私は待った。
  
  両腕のない女は自分の盃を右足の指だけで上手につかみ、前に置くと、酒瓶を両の足の裏でしっかりと挟みこんだ。
  
  次いで上体を後ろに倒して斜めの姿勢になり、腿を上げて酒瓶を宙に浮かべると、
  
  膝から先と足首のみを曲げて、瓶をそっと傾けた。




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92  名前:◆NBJATnhEhM[] 投稿日:2021/02/26(Fri) 19:55:12 ID:71883176



  中身が注がれ、私の盃が満たされた。 酒は白く濁っていた。
  
  それから女は後ろに腰をずらすと位置を変えて、自分の盃にも酒を注いだ。
  
  盃が両方とも満たされたのを確かめると、女は瓶を置いた。
  
  そのあいだ酒は一滴もテーブルの上にこぼされなかった。
  
  女にじっと顔を見られていることに私は気が付くと、慌てて盃を手に取って掲げた。



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93  名前:◆NBJATnhEhM[] 投稿日:2021/02/26(Fri) 19:55:12 ID:71883176



  女も右足の親指で自分の盃の縁をにぎり、長い脚を高くして杯を掲げ、乾杯の合図をした。
  
  毛並みの良い一匹の美しい猿のように女は器用に脚をあやつって、盃に口をつけた。
  
  私も白い酒を口に含んだ。 独特のきつい匂いが顔中に広がった。
  
  女は黙々と酒を飲んだ。 すぐに杯が乾くので、その度に私が注いでやった。
  
  女の目には生気がなく、瞼を開いていてもどこを見ているのか定かでなかった。
  
  ただ灰色の髪にのみ際立った輝きが認められた。



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94  名前:◆NBJATnhEhM[] 投稿日:2021/02/26(Fri) 19:55:12 ID:71883176



  女の長い髪はそれ自体が意思を持ったひとつの生き物であるかのように
  
  切り株のあちこちへと伸びて思い思いの場所でわだかまり、その美しさを誇示していた。
  
  私は思い切って女に尋ねてみた。 あなたは神なのか、と。
  
  すると女は答えて言った。 私はガウラである、と。
  
  自分は十五年前先代のガウラと暮らすようになり、呪術を教えられた。



                                         ;  :i :;
                                        :!  :| :|
.     o                               !' ' :| ::              |
     (に)                              :!  :| :|         __j|__
   .r=くr=vヘ                               :!' ' :| :|           ̄|「 ̄
 r=、}  {  } {    r=ァ                          ´:!   !  '              |!
. { r=ミ ,   { ヽ / /                       :!   ! i ヽ.           |:
 ! {/  ,    i   V /                         !  | .:.   )
 } {  ,     !   V/                         ::,'   } |: /ノ
. V} {     }   }      /⌒\                 ::/.   l: |:( イ   ,
  .}! ‘,    ,′ /-/;: ゙̄`く : : : : : :ヘ           ..._ノ:'.:    ::. '::ヽ!_,ノ
  .〈} , ハ   /   / (: : : : :ヽ : )、_ノ:_:_:_ノ\           ''-/,.':l  | ;:: 人、__ ノ
    >ー--─く、   `ー--‐ ´       )        ,'/:/j ,' .!:::ノ
   `ー── " >ー─────── '            ,'ノi:::: i  |(.
                                 (:  !:: l:  | ヽ
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95  名前:◆NBJATnhEhM[] 投稿日:2021/02/26(Fri) 19:55:12 ID:71883176



  人々の病を祓ったり、祭りをつかさどったり、あるいは生まれてきた子供に祝福を授けたりしていた。
  
  そのようにして十五年間、私は村を影から守りながら生きてきた。
  
  私はそこまで話を聞くと、また尋ねてみた。
  
  今度のことで村は消滅してしまった。 あなたは今後どうやって生きていくのか?
  
  すると女は黙ってしまった。 私は神殿に彼女を迎えようと思って申し出たが、断られてしまった。
  
  飼い犬として慰み者になるのは好むところではない。 そう言われた。


                          ____
                                 `丶
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            厂 ̄`丶  \〉             ハ
             |....{.............\  く\   -‐━‐-ミ  くノ |
           \_〉-‐‐-ミ...\  >'^........ -‐━‐-ミメ、 |
         / ̄`⌒>............`丶〉⌒し'⌒ヽ__ノ⌒丶   \‐‐-ミ
        く................{............ _/ r‐-ミ___厂   |\__\_r-ヘ、____〉
           ̄\......〉、___/ r-┘| /八   |´ ∨  {   丿
            / ̄し-ヘ.__丿   rテ芋ミ\   xテ广}  {__厂
          く__/ }      V.り     V {.ン んヘ. {
.             └-}   } |   { "      " 人  ∨
                  厶ヘ  } |  {ト     c     l  j乂__
                     ∨V \ {‐-ミ>‐< }丿 /
                 丿r-‐' \〉   \ノ┐〕iト .∨
                     丿-ミ `く     /(0)∨_〕
                     .′  し┐`く_/ }.......〉 _〕 {
                {       し┐  }....{ V   \
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96  名前:◆NBJATnhEhM[] 投稿日:2021/02/26(Fri) 19:55:12 ID:71883176



  私もまた霊をつかさどる者であり、その長に相当する者だと告白すると、彼女は分かっていると言った。
  
  それから我々は切り株の上で酒を飲み続けた。
  
  私は酒のたぐいは好きではなかったが、そこで求められているコミュニケーションは
  
  堅い沈黙とただお互いに酒を注ぎ合うだけの行為に限られていると、私には分かっていた。
  
  もしかしたらそれは消えていった村人たちを思って、喪に服する行為だったのかもしれない。



                                                _..、 ‐ ''"^~
                                             _.、-''"
                                          ,  ''^^~「
                              _ 、  -‐‐===≠┤、___,,.ノ         ___
                             i´    ..,, __.,:'´: : : :乂       _ ,,、-''"~^二⊃Tニ=ー--
                                   {:. : : :._,,..、ニニ二...,,_ : : : : : : : : : : :√
                             ,      >''^            : : : : : : : : :√
                             ′    /∠_/ ̄ ̄ ̄\   丶_,,: : : :ニ仁つ
                              ,     /          厂     `、: : : :√
                              ′  '^~~^' 、   ,  '" ̄~^ 、_   ' : : :.√
                               ,/      ∨//        丶〉 , '^~^√
                               ′¦      ∨          ∨ ¦: :L、 ''´
                                 , ', __ _____ l         __√ __j.: :√
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                                   , ',::. ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: l::::::: ′,、‐ ''^´
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三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三
二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二
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97  名前:◆NBJATnhEhM[] 投稿日:2021/02/26(Fri) 19:55:12 ID:71883176



  やがて私は酔って眠ってしまった。




___               ,, ┴─‐┘!ーヽ
:::;:へ:\           <_〃 ̄ヽノ l |
:::!  |:::|               _,,|__ ー-、l !
:::|  ヽ:\       ,, -‐''´    .:: ̄`ヽ/,へ_
::::!    ̄       /::::     ..:::::::::::::ヽ、〉 r \
ヽ::\         / :: ;    ..    __ _/ノソ_へ/
 \::\       /〈 .::i::::::: :::...... ∠イ'ー-、l_ノ、 \
   \::\     ! ヽ: ::::/: :::;、 r‐、ノ`ヽ ヽ\ \ ヽ
    ヽ:::\  〈<二ゝ::、∠´ノ〈 ! | ∧ト、_ノ l !r, !`ヽ〉
      ゙ヽ::\ ,ゞ二ニ、-‐个ー'/ノ_l〈 lノ_,j! ノハj ノ  __
          `ヾ! |ヽヽ{_ノヽ__j,,ン `l〉  ̄ l l r‐、辷〃 ヾヽ
           \ゝ\  \_'┴''、 __`∠_ノ<_//   l ::|
─- 、 _       ノ ノ l ゙ー、/ ̄ ̄>イ /┴‐-〈_//// :::!
        `ヽ_   く 〈ハヾ/ .:´   〉ニ〈 \      ̄ 〉_ノ_,,,_
           \_))、ヽ!、 :::::.  .:〈_ノ ゙̄ノ -‐..''  ̄ ̄ _....... \ __
            \ ̄lノ\`''ー  /ヽ/:::::   ::::::::::::::::::::: ̄ ̄ ̄..::::::::::`ヽ、
             `l〈  \_//::::.::      ::::   : `ヽ::.   :::::::::::: \
           ___〈 !   / /:::::::::  ;         `ヽ::::\:::::..   ::
         / -‐  ̄ `ヾ、_,,ノュl´ ::::   :!      .   :.  `ー、ヽ_::::::..
     <      __/ ( fl/  : .  .::l       :. :::::::::.     ̄`ヽ:::::...
       `ヽr-、 ̄ /  <´/.:::     .:,'. .:    .   :::`ヽ::. _ -─ ニゝ、:::::..,
          /    / 〈 .:::    ./ :!::::   l  :::.   ::::::i:::/‐'' ̄:ヽ  ::: ̄::
         /    /  l : :::    .:::/ .:l::::    !  ::::::.   `. ̄: :.  ‐-`ヽ::. .::
        /__        | :::::::::.. .:::::/ .:::l::    .:l  .::::::::.   .: ::::::: / ̄`ー''´`\
     /  ヾ=‐、    l| ::::..::::::::::/ .:: ::l:.   .:::! .::::::::::. .:::_::ノ:l;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
      // ̄ヽ \ヽ  / \ヽ_/.::::::::::l::.  .::::;' .、_r‐''_二-‐┘:::\;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
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98  名前:◆NBJATnhEhM[] 投稿日:2021/02/26(Fri) 19:55:12 ID:71883176



  それから目が覚めて体を起こした。
  
  四肢にぬるぬるとした奇妙な感触があった。
  
  蛇が私の体に巻き付いていたのだ。
  
  私は思わず悲鳴を上げて両腕を振り回した。
  
  蛇は心外であるとでも言いたげな表情で大儀そうにゆっくりと私の体から離れていき、また部屋の隅に戻ってとぐろを巻いた。





                               /ヾ、
                                〉 ノ
                             / /
                               { :{
                               V-- 、
                                  ̄} }
                                /! /
                                 / !/
                            { {
                            ヽハ
                                 }ハ
                               ノ :}
                             |, /
                             jハ
                        /  ,.イ ノ
                       〃 _ノ_ノ⌒ヽ ヾ
                        _(_ ̄  ノ- 、
                     ,.‐(__-=≦ ̄ ̄ノ
                     `ー--------=彡'

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99  名前:◆NBJATnhEhM[] 投稿日:2021/02/26(Fri) 19:55:12 ID:71883176



  女はそれを見てにやりと笑った。
  
  初めて目にする女の笑い顔だった。
  
  多分、それは珍しいものなのだろう。
  
  私は女に別れを告げるために立ち上がって言った。
  
  自分はこの国の神だ。 あなたと友好を結びたい。
  
  あなたは私と友達になってくれるだろうか?



         _____
、    ,...  ´            `ヽ、
:::\ /´                     ヽ
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::::::::::::::}/==}_ / ̄ \  / ̄ ̄ ̄\=}
:::::::::/ / \_   ! 〈    _,.-/  ̄ \
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:::/、- ': :/: :|: : : |: /、: / /: /: :,.イ: :;: : |∨ ̄}
、_/: : ': ::::|: : :下≧ミ、_, ': :,ィ斥ミ: /: : |: }_/
  /: :/: : : :|: : : {瓧)ソ //瓧ソ/:イ : /: /
 ,': :/: : : : :!: : : |     ´  ,   ムイ}::/
 { イ: : : : 八 : 从 、   っ   イ: /: :∨
  八: 、: : : ∧: : } >r-=≦; :/:/}: :}、|
   \}、:/ ̄从l \ {\}:_/:/:イ j: / }
    〈∨乂\   \   }ト、__,/イ
     /   `乂_、   \ |!〈-〈       _
   ,:       乂\  /_)、 }乂       「7_\
  _ {       ヽ乂∨ (_) ヽ/}_    r-ミヽ` }
  }:\r-、,.- ァ   }  }'      ∨:}    `7 ` /
  |:::/^\:::{_、  /          }イ  「::Y、__ ,:'
  <{_/_、⌒>        |  /{、:::Y/:ァ
   /::|    ,、_   r==;  = ∧ ´   /}/イ
___{::::::{    {:::::::::::::::::::::::::::::::::,::_」  /
::::::::::\:|    |、::::::::::::::::::::::::::::::{  . '
::::::::::::::::,   {   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄「ー ´
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100  名前:◆NBJATnhEhM[] 投稿日:2021/02/26(Fri) 19:55:12 ID:71883176



  女は私の眼をひたと見据えた。
  
  それからしばらく無言の時間が過ぎた。 女の眼は青かった。
  
  二つの目と二つの目は言葉もなく語り合った。





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: ∧ィi〔ニニニニニニ≧s。  ≧s。: / .∥:./{:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.。s≦  。s≦ニニニニニ〕iト <
:.:.{ニニア゛ j{ ノ: :v: : : :ハ  〕iトミ:/  ∥:/j{:.:.:.:.:.:.:.:.:.: 〃≦>'"  ノv: : : : j}  \ニノ
:.:. \{::  マ: :/ゝ='⌒: :j}   //  /:.,イ∥:.:.:.:.:.:.:.:. 〃)/  {=≦乂ノヽ ∥   /イ
:.:.:.|:.: ヽ   マ:{._._._ノ:ア  /    /;イ...∥:.:.:.:.:. : /     \:{._._._._ノア   ´   /
:.:.:.|:.:ハ   ‐¬¬¬` /  ./   /:.:.:.:.:.:./       ´⌒マ ⌒ `      /:./
:.:.:.|\ハ              /   ./:.:.:.:.:/                    /:./:.:
:.:.::  ヽ}               /:.:.:./                      /:./.:.:.
:.:j{    i{              />' ..                       /.:/:.:.:.:.
: j{   ハ          ‐=≦' ´   ::::::                   /:./:.:.:.:.:.
/ハ  jiノ                      i                        /:./i:.:.:.:.:.:.
i:i:i:ム                                      /: /:j{:.:.:.:.:.:.
i:i:i:i:iム                                          j{.://:j{:.:.:.:.:.:.